天下一漫画賞

天下一漫画賞について

天下一漫画賞（てんかいちまんがしょう）は、日本の漫画界における著名な新人賞であります。この賞は、1996年8月から2003年3月にかけて、週刊少年ジャンプによって実施されていました。この賞の設立は、前身であるホップ☆ステップ賞（H☆S賞）の新人作家支援をさらに強化するためのリニューアルによって行われました。

賞の名称の由来

天下一漫画賞のネーミングは、同誌の名作『ドラゴンボール』に登場する「天下一武道会」をもじったものです。そのため、漫画ファンの間では特に親しみを持たれました。初回の審査には、鳥山明が参加し、漫画賞としてのスタートを華々しく飾りました。

新たな制度と入賞基準

この賞の大きな特徴は、入賞の種類が3つに分かれた点です。具体的には「入選」「準入選」「佳作」の三つがあります。この仕組みは、後の「JUMP新世界漫画賞」でも受け継がれています。また、入選作に限らず、佳作以上の作品も必ず週刊少年ジャンプかその増刊誌に掲載されるといった新しい取り組みが行われました。これにより、デビューの機会が以前よりも大幅に増加しました。

さらに、複数の受賞作が集まることで、彼らすべてが「デビュー作」として扱われるようになり、新人育成にも力を入れた姿勢が見られます。初期には受賞作を集めた単行本の刊行も計画されていましたが、最終的には実現しませんでした。

審査方法と評価基準

毎月、連載中の漫画家を審査員に招き、審査結果や講評を公表する仕組みは前身のH☆S賞と大きく変わることはありませんでした。この点でも、漫画家の声が作品に反映されることが強調されていました。また、応募作品に対しての評価基準は、ストーリーや構成、オリジナリティが重要とされるため、他の権威ある賞とは一線を画していました。

特にユニークなのは、最終審査まで残った作品には「審査員特別賞」といった枠が存在し、特別に評価された作品には審査員の名前が冠されることもありました。これにより、デビューが即座には果たせなかった作品でも新たな機会を与えられることも多かったのです。

賞金と受賞内容

天下一漫画賞では、入賞者に対する賞金や特典が設けられています。入選の場合は50万円（手取り）の賞金と賞状、記念盾、特製原稿用紙100枚が授与されます。準入選、佳作にもそれぞれ賞金が与えられ、受賞者は原画見本帳や特製漫画スケールなども受け取ることができます。

その後の展開

2003年3月、天下一漫画賞は80回目の開催を迎え、記念すべきタイミングとして「ジャンプ十二傑新人漫画賞」へと進化することが決まりました。これに伴い、より高い賞金額やデビュー条件の向上が図られ、次世代の漫画家たちのためのさらなる可能性が広がったのです。

天下一漫画賞は、その意義と影響力から、多くの著名な漫画家たちを輩出してきた重要な舞台でありました。現在の漫画界にも、その精神が脈々と受け継がれています。

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