天使の詩 (米)

「天使の詩（てんしのうた）」は、佐賀県農業試験研究センターで開発された稲の品種です。その希少性から「幻の米」や「幻のブランド米」とも呼ばれています。

誕生の背景と特徴

1993年、西海201号を母、関東165号を父として佐賀27号が誕生しました。2003年には奨励品種に指定され、その品質の高さから期待を集めました。

しかし、「天使の詩」は高温に弱いという弱点がありました。近年の温暖化による夏期の高温により、収穫品質が低下するという問題が発生し、生産者にとって大きな負担となりました。

生産の現状

2004年時点での生産者はわずか4名、生産面積は1.51ヘクタール、生産量は8トンを下回るという状況でした。その後、後継品種である「さがびより」が開発され、高温耐性の弱さから「天使の詩」の作付けは減少の一途をたどりました。

2022年現在、「天使の詩」は佐賀県神埼市千代田町でのみ生産されています。年間流通量は約200トンと非常に少なく、希少価値の高い米となっています。

「天使の詩」のこれから

生産者の高齢化や後継者不足も課題となっていますが、限られた地域でその栽培技術が守られています。その美味しさと希少性から、特別な贈り物や高級料理店などで扱われることが多いようです。

佐賀県の豊かな大地と生産者の情熱によって育まれた「天使の詩」。その名にふさわしい、優しく繊細な味わいを未来へと繋いでいくことが期待されています。

参考情報
* 天使の詩 - 佐賀米マーケティング協議会

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