天復 (回離保)

天復（てんふく）とは

天復（てんふく）は、12世紀初頭の1123年に、遼代から自立した回奚（かいけい）政権を樹立した廖森（りょうしん）が使用した私年号です。

年号の使用期間

『遼史』によれば、天復元年（1123年）の正月に廖森がこの年号を僭称したと記録されています。しかし、この年号が実際に使用されたのは短期間であり、具体的な期間は明らかではありません。

歴史的背景

当時の遼は、政治的な混乱と内紛が絶えず、国力が衰退していました。このような状況下で、各地で反乱や独立の動きが活発化し、廖森の回奚政権の樹立もその一つでした。廖森は、遼からの自立を宣言し、独自の年号を定めることで、その正当性を主張しました。

遼との戦い

廖森が天復を僭称した直後、遼の天祚帝は都統の馬哥（ばか）に命じて回奚政権を討伐させました。このことから、天復元年は遼と回奚政権の間で激しい戦いが繰り広げられた年であったと考えられます。しかし、回奚政権がその後どうなったのか、天復の年号がいつまで使用されたのかについては、詳しい記録が残っていません。

他の政権の天復

中国の歴史上、天復という年号は、他の政権でも使用されています。例えば、唐代末期の800年代にも天復という年号が存在します。

まとめ

天復は、遼代末期の混乱期に、一時的に自立した回奚政権が使用した私年号であり、その使用期間は非常に短く、歴史の表舞台に現れることはありませんでした。しかし、当時の社会情勢や、地方勢力の台頭を示す貴重な史料として、その存在は重要です。

出典

* 『遼史』巻29 本紀第29 天祚皇帝3

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