天武無闘流柔術

天武無闘流柔術 (てんむむとうりゅうじゅうじゅつ)

天武無闘流柔術は、富山県の越中に伝わる伝統的な柔術の流派です。この流派は、佐々木武久より引き継がれたもので、その技術体系や歴史は豊かです。天武無闘流は、しばしば「無闘流」や「天武暁無闘流」とも呼ばれており、これらはほぼ同じ流派を指しています。古い伝承によれば、この流派は平家一門に由来し、流祖である佐々木家束柾奈が300年以上前に創始したと言われています。

名称の由来と歴史

流派名には、様々な表記が存在します。中でも「斗」は一般的に「闘」の略字として扱われますが、ここでは異なる意味で使用されています。また、柔術のみならず多彩な武器術を包含する、総合武道の性質を持っています。伝統的な技法を受け継ぐことで、この流派は一子相伝の形で代々に渡り活き続けてきました。

佐々木家束は、若いころから武術に情熱を注ぎ、特に夢の中に現れた妙術を求めて修行を重ねました。その後、彼は独自の兵法を開眼し、天、文、理、陰、陽を組み合わせた武術を確立しました。この知識は、武術の基礎として後の世代に受け継がれています。

現在の天武無闘流柔術は、佐々木武久の影響を受け、愛知県名古屋市で教えられています。愛知県本部の井上泰が指導しており、さまざまな場での訓練が行われています。また、佐々木武久は現代武道において「相生道」という新たな流派も開発しました。これは大学やスポーツセンターなど多くの場所で行われている教育活動の一環でもあります。

特徴

天武無闘流柔術は、剛像系と柔像系という二つの技術体系を持っています。剛像系は、主に突きや蹴りなどの打撃技を重視しており、柔像系は投げや関節技、絞め技、抑え技が中心となります。他の古流柔術に比べて、打撃技が豊富である点がこの流派の特異性です。

特徴的な技術には、「空転蹴り」、「忍手浴びせ蹴り」、「地斜蹴り」といった、体の動きを利用する独自の技が含まれています。これらは他の流派では見かけない技であり、天武無闘流柔術の個性を形作っています。

古伝の技法

天武無闘流の技法は、素手の技術や武器術に大別されます。主な技術には、拍打術や体挫術といった素手の技法が含まれます。また、武器術では剣術、抜刀術、居合術、棒術、そして独特の武器である「ぶんぶんばり」などが存在します。ぶんぶんばりは、二尺の棒を鎖でつないだ特殊な武器であり、この流派特有の動きが求められる武器です。その他にも、多様な武器術や技法が存在し、多くの伝承が受け継がれています。

まとめ

天武無闘流柔術は、長い歴史を持ち、多様な技法と深い思想がうまく融合した武道です。この流派を学ぶことで、身体と精神を鍛え、武道に関する理解を深めることができます。今後もその伝統は、多くの人々に受け継がれ、発展していくことでしょう。

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