天花 (テレビドラマ)

2004年度前期のNHK連続テレビ小説第70作として放送された『天花』。3月29日から9月25日までの期間、宮城県仙台市と東京都武蔵野市を主な舞台に、ヒロインの成長と愛の物語が展開されました。

ヒロインは、イグネに囲まれた農家で育ち、祖父から「物にも人にも愛情を込めることの大切さ」を教え込まれて育った佐藤天花（のちに鈴木天花）。彼女は、保育士になることを夢見ていました。

物語は、天花の家族や友人、そして仕事を通しての出会いと別れ、成長、そして愛を丁寧に描いています。天花を取り巻く人々は、個性豊かで魅力的なキャラクターばかり。家族、友人、恋人、職場の人間関係など、様々な人間模様が織りなされ、視聴者の共感を呼びました。

このドラマの大きな特徴の一つは、舞台が宮城県仙台市であることです。NHKの連続テレビ小説で宮城県が舞台となるのは、第36作『はね駒』以来のことでした。仙台の美しい自然や街並みがドラマの中で映し出され、作品に独特の風情を与えています。また、物語のテーマとして「愛情」が深く掘り下げられています。天花が祖父から受け継いだ愛情、家族や友人との愛情、そして恋人との愛情など、様々なかたちの愛がドラマ全体を優しく包み込んでいます。

主題歌はMISIAが担当し、その力強い歌声はドラマの世界観をさらに豊かに彩りました。音楽は、当時26歳という若さで村松崇継が担当。その才能あふれる音楽は、ドラマの感動をより一層高めています。

ヒロイン役の藤澤恵麻は、2367人もの応募者の中から選ばれました。オーディションは2003年9月10日に発表され、主要キャストは同年10月14日に発表。多くの期待を集めながら、撮影は進められました。

キャストは豪華な顔ぶれが揃っています。天花の両親役には片平なぎさ、香川照之。祖父役には財津一郎、妹役にはサエコ（現・紗栄子）など、ベテランから若手まで実力派俳優陣が脇を固めています。天花の許嫁、そして夫となる鈴木竜之介役には平山広行。その他にも、竹中直人、中村梅之助、富司純子、木村佳乃、市川実日子など、多くの個性的な俳優たちがドラマに花を添えています。

2004年8月27日から12月にかけては、完全版DVD-BOXが3回に分けて発売されました。このDVD-BOXには、本編はもちろんのこと、メイキング映像なども収録されており、ファンにとっては貴重なアイテムとなっています。

視聴率も高く、初回は18.6％、最高視聴率は20.0％を記録。平均視聴率は16.2％と、高い人気を博しました。BShiでは総集編が放送され、地上波では年末に放送される予定でしたが、インドネシア地震・津波などのニュース報道のため、放送スケジュールが変更となりました。

『天花』は、美しい映像、心温まる物語、そして豪華なキャスト陣が織りなす、忘れられないドラマとなりました。愛情の大切さを改めて考えさせられる、そんな作品です。

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