太平 (呉)

太平（たいへい）は、三国時代の呉の廃帝、会稽王孫亮（かいけいおう そんりょう）の治世で使用された元号です。具体的には、256年から258年までの期間を指します。

太平の時代背景

太平元年（256年）9月、呉の権力者であった孫峻（そんしゅん）が死去しました。その後、孫峻の従弟である孫綝（そんちん）が台頭し、呉の実権を掌握します。孫綝は、政治的な権力を背景に、その勢力を拡大していきました。

同年10月、孫綝は元号を五鳳から太平へと改元しました。これは、新たな時代を迎えるという意思表示であったと考えられます。

太平3年（258年）9月、孫綝はついに孫亮を廃位し、会稽王としました。そして、新たな皇帝として孫休（そんきゅう）を擁立します。この出来事は、呉の政治情勢に大きな変化をもたらしました。

孫休の即位に伴い、同年10月には元号が永安（えいあん）に改元され、太平の時代は終わりを告げました。

西暦との対照

太平の各年は、西暦の256年、257年、258年に相当します。

参考文献

『三国志』（中華書局 1974年）
『中国歴代年号考』李崇智（中華書局 2004年）

関連項目

元号一覧 (中国)
太平 (曖昧さ回避)

太平は短い期間の元号でしたが、呉の政治的な変動期と重なり、その後の歴史に影響を与える出来事が起きた時代でした。

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