太陽風交点

太陽風交点

『太陽風交点』は、SF作家・堀晃による短編SF小説であり、1977年3月に『S-Fマガジン』（早川書房）に初掲載されました。本作は、堀晃の初の単行本となる同名短編集（早川書房、1979年）の表題作であり、1981年には第1回日[[本SF大賞]]を受賞しています。

この作品は、その後の文庫化を巡り、出版業界を揺るがす訴訟事件「太陽風交点事件」を引き起こしたことでも知られています。日[[本SF大賞]]の副賞として徳間書店から文庫版を出版することになった際、早川書房が単行本出版から3年以内は自社に出版権があると主張し、訴訟に発展しました。この事件は、出版業界における慣習や契約のあり方を問い直すきっかけとなりました。

『太陽風交点』は、後に「トリニティシリーズ」と呼ばれる一連の作品群の最初の作品であり、物語の時系列においても一番最初の出来事を描いています。

あらすじ

物語の主人公である「私」は、滅びた異星文明の遺跡調査を行っています。ある日、「私」はヘルクレス110番星へ向かうよう緊急指令を受けます。そこには、死んだはずの恋人・オリビアが待っているというのです。

ヘルクレス110番星へ急ぐ「私」の前に、無数の太陽帆を広げた太陽風ヨットが現れます。それはヘルクレス110番星系から飛来した鉱物生命体でした。「私」は、恋人との再会を果たすため、そしてこの謎の生命体との接触を通して、物語は展開していきます。

収録書籍

『太陽風交点』は、以下の書籍に収録されています。

太陽風交点（1979年、単行本、早川書房）
解説：小松左京
収録作品：
イカルスの翼
時間礁
暗黒星団
迷宮の風
最後の接触
電送都市
骨折星雲
太陽風交点
遺跡の声
悪魔のホットライン
太陽風交点（1981年、徳間文庫、徳間書店）
収録作品：
遺跡の声
遺跡の声（1996年、アスペクト・ノベルス、アスキー）
トリニティシリーズの集成版
収録作品：
太陽風交点
塩の指
救助隊Ⅱ
沈黙の波動
蜜の底
流砂都市
ペルセウスの指
遺跡の声
遺跡の声（2007年、創元SF文庫、東京創元社）
装画：加藤直之
アスペクト・ノベルス版に「渦の底で」を追加収録


『太陽風交点』は、SF的な設定とミステリー要素を兼ね備えた、読み応えのある作品です。SFファンのみならず、多くの読者に支持されています。

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