奈倉文二

奈倉 文二（なぐら ぶんじ）について

奈倉文二は1942年生まれで、日本の経済学者および歴史学者として知られています。彼は経済学博士号を1985年に取得し、長年にわたって茨城大学と獨協大学で教育と研究に携わりました。

学歴と職歴

奈倉は1968年に東京大学経済学部を卒業し、その後、1974年に同大学の大学院経済学研究科の博士課程を修了しました。博士課程では単位を取得した後に退学。1974年から1977年まで茨城大学の人文学部で講師として教壇に立ち、1977年から1985年までは助教授を務めました。1985年には教授に昇進し、2002年までその職を全うしました。その後、獨協大学経済学部の教授として2012年まで教鞭を執りました。また、彼は茨城大学と獨協大学の名誉教授の称号も持っています。

専門分野

奈倉の研究は、主に近現代日本の経済史に焦点を当てていますが、中でも鉄鋼業の歴史や日英関係における大企業の動向、特に兵器鉄鋼産業の分野に特有の見解を持っています。彼の著作は、その分野での重要な資料として広く知られており、彼の研究は日本の経済史の理解に大きく寄与しています。

主要著作

奈倉は多数の著書を持ち、以下の作品は特に著名です：

• - 『日本鉄鋼業史の研究――1910年代から30年代前半の構造的特徴』（近藤出版社、1984年）：この著作では、1910年代から1930年代にかけての日本の鉄鋼業の特徴とその構造について詳細に分析しています。
• - 『兵器鉄鋼会社の日英関係史――日本製鋼所と英国側株主 1907～52』（日本経済評論社、1998年）：この本では、日本製鋼所とその英国の株主との関係を中心に日英関係の背景を探求しています。
• - 『日本軍事関連産業史――海軍と英国兵器会社』（日本経済評論社、2013年）：こちらの著作は、日本の軍事関連産業における海軍と英国の兵器会社の関わりについて研究しています。

共著や共編著の作品もあり、特に以下の本が代表的です：

• - 『日英兵器産業とシーメンス事件――武器移転の国際経済史』（日本経済評論社、2003年）：横井勝彦と小野塚知二との共著で、国際的な武器移転の経済史を探る重要な文献です。
• - 『日英兵器産業史――武器移転の経済史的研究』（日本経済評論社、2005年）：横井勝彦との共編著で、さらなる研究を深める貴重な参考資料となっています。

学術的貢献

奈倉文二の研究成果は、近現代の日本経済における重要な一側面を明らかにするものであり、特に彼の専門分野における知見は、今もなお多くの研究者や学生に支持されています。大学での講義を通じ、次世代の経済学者や歴史学者の育成にも寄与し続けています。彼の貴重な業績は、今後も日本の経済史を学ぶ上で欠かせない資料として位置づけられるでしょう。

もう一度検索