奈多海岸 (大分県)

奈多海岸

大分県杵築市に位置する奈多海岸（なだかいがん）は、その美しい景観で知られています。「奈多」は「なた」ではなく「なだ」と読むのが正しいです。

海岸線の中央には八幡奈多宮（はちまんなだぐう）があり、ここを境に北側が奈多海岸、南側が狩宿海岸（かりしゅくかいがん）と呼ばれています。これら二つの海岸を合わせて奈多・狩宿海岸と総称することもあります。

概要

奈多海岸は、伊予灘に面して南北約2kmにわたる白砂の砂浜が広がっています。砂浜には見事な枝ぶりのクロマツの老木が並び、白砂青松の美しい風景を作り出しています。この景観は「日本の白砂青松100選」にも選ばれるほどです。

夏季には、奈多・狩宿海水浴場として多くの人々が訪れ、賑わいを見せます。この海水浴場は、環境省が選定する「快水浴場百選」にも選ばれています。売店やシャワー室などの施設も完備されており、例年7月第2金曜日から8月第3日曜日まで開場しています。また、狩宿海岸にはキャンプ場も整備されており、アウトドアを楽しむこともできます。

海岸線の中央に位置する八幡奈多宮は、神亀6年（729年）に創建されたと伝えられています。この神社には、宇佐神宮の旧神体とされる木造僧形八幡神坐像と二躯の木造女神坐像の三神像が収蔵されており、これらは国の重要文化財に指定されています。

八幡奈多宮から約300m沖合には、厳島または市杵島（いちきじま、いきしま）と呼ばれる離れ岩があります。この岩は八幡奈多宮の元宮とされ、小さな鳥居が設置されています。かつて八幡奈多宮周辺は桜や藤の名所として知られ、多くの花見客で賑わいましたが、桜は枯れて伐採され、現在では一部の藤棚が残るのみです。

杵築市の海岸線は、奈多海岸、狩宿海岸から始まり、臼石鼻を経て別府湾へと続きます。別府湾内には住吉浜の砂嘴や、カブトガニが生息する干潟を有する守江湾など、多様な景観が広がっています。

奈多海岸は、美しい自然と歴史が調和した魅力的な場所です。

もう一度検索