奈良岡良二

奈良岡良二(1908年4月2日 - 1992年6月2日)は、日本の競歩選手、そして保健体育学者として、その名を刻みました。青森県南津軽郡浪岡町(現在の青森市浪岡)に生まれ、青森県師範学校を卒業後、スポーツの世界へ足を踏み入れます。

1936年、ベルリンオリンピックに50キロメートル競歩の選手として出場。これは日本の競歩競技において、初のオリンピック選手という輝かしい記録です。オリンピックでの記録は5時間7分15秒で19位という結果でした。

第二次世界大戦中には、1944年(昭和19年)から北京大学の副教授として教鞭を執りました。戦後帰国すると、青森県高等学校長を歴任。その中には、故郷の浪岡高等学校も含まれています。大湊高等学校の校長在任中には、1967年に「耐久遠足」を創設しました。これは、体力と精神力を鍛えることを目的としたもので、現在も同校の伝統行事として続いています。

教育者としての活動はそれだけに留まらず、1971年(昭和46年)から1988年(昭和63年)まで弘前学院大学教授として、後進の育成に尽力しました。彼の教育に対する情熱は、多くの学生に影響を与え、卒業生たちは各方面で活躍しています。

また、奈良岡は研究者としても活動し、1968年には著書『歩行の美と力 正しく美しい歩きかたの科学』(第一法規出版)を出版しました。この書籍は、歩行のメカニズムや正しい歩き方について科学的な視点から解説したもので、多くの人々に健康的な歩行の重要性を啓発しました。

奈良岡良二は、選手として、教育者として、そして研究者として、多岐にわたる分野で日本のスポーツと教育に貢献しました。彼の功績は、今もなお多くの人々に記憶され、語り継がれています。

参考文献

* 『現代物故者事典 1991~1993』日外アソシエーツ、1994年。

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