奈良市立登美ヶ丘北中学校

奈良市立登美ヶ丘北中学校は、奈良県奈良市北登美ヶ丘に位置する公立の中学校です。登美ヶ丘学園都市の一角を占めるこの地域に、奈良市内で17番目の市立中学校として、1984年（昭和59年）4月に開校しました。

学校設立の背景には、当時の奈良市全体における児童・生徒数の急増がありました。1983年頃には市内の小中学校の児童・生徒数がピークを迎えており、増え続ける生徒数に対応するため、新たな学校の設置が急務となっていたのです。こうした状況を受け、開校に先立つ1983年7月には、新校舎と体育館の建設工事が着工されました。この建設計画は新谷建築設計事務所によって設計され、三和建設が施工を担当し、翌1984年3月には無事竣工を迎えました。

そして、1984年4月、奈良市立登美ヶ丘北中学校は開校の運びとなりました。開校当初は、主に奈良市立登美ヶ丘中学校から編入してきた第2学年の生徒と、新たに迎え入れた第1学年の生徒によって構成され、2学年体制でのスタートとなりました。開校当時の所在地は奈良市押熊町1761番地3でしたが、その後の住居表示の実施に伴い、1988年（昭和63年）3月には現在の奈良市北登美ヶ丘1丁目1番1号へと所在地表記が変更されています。

開校以来、教育環境の整備も進められてきました。生徒の食育への配慮から、2008年（平成20年）10月にはデリバリー方式による中学校給食弁当選択制が導入されました。その後、さらなる改善を図り、2016年（平成28年）1月には、学校内で調理を行う自校方式による完全給食へと移行しています。

また、教育環境の維持・向上に向けた特色ある取り組みも行われています。2014年（平成26年）6月には、学校敷地の西側斜面に繁茂する雑草の問題を解決するため、日本で初めてとなるユニークな試み「ひつじプロジェクト」が開始されました。これは、草刈りの代わりに羊を放牧して斜面の植生を管理するという画期的な取り組みであり、メディアでも注目を集めました。

近年では、学校の節目を祝う行事も実施されています。2024年（令和6年）11月には、学校創立40周年を記念する事業が開催され、地域の教育機関としての歴史を改めて認識する機会となりました。

生徒の制服については、男子は一般的な学生服を採用しています。女子の冬服は、ジャンパースカートにボレロを組み合わせたスタイルとなっています。

本校の学区は、主に奈良市立登美ヶ丘小学校および奈良市立東登美ヶ丘小学校のそれぞれの通学区域の一部から構成されています（情報は2022年5月1日時点）。具体的には、登美ヶ丘小学校区からは押熊町の一部、中登美ヶ丘一丁目の一部、中登美ヶ丘三丁目の一部、中登美ヶ丘四丁目、中登美ヶ丘五丁目、中登美ヶ丘六丁目、西登美ヶ丘二丁目の一部（F号棟）、および二名町が、東登美ヶ丘小学校区からは押熊町の一部、北登美ヶ丘一丁目から六丁目、中登美ヶ丘一丁目の一部、中登美ヶ丘二丁目、中登美ヶ丘三丁目の一部、東登美ヶ丘四丁目から六丁目がそれぞれ含まれます。広範な地域から生徒が通学しています。

地理的には、いくつかの学校と隣接しており、地域の教育連携の観点からも重要な位置を占めています。近隣には、奈良市立ならやま小中学校、奈良市立平城中学校、奈良市立登美ヶ丘中学校、奈良市立二名中学校といった奈良市内の学校に加え、生駒市立上中学校、生駒市立鹿ノ台中学校といった生駒市の学校、さらには京都府精華町立精華南中学校とも通学区域が隣接しています。

奈良市立登美ヶ丘北中学校は、歴史ある住宅地に根ざし、生徒数の増加に対応するための設立から始まり、給食制度の改善や「ひつじプロジェクト」のような独創的な取り組みを通じて、常に生徒にとってより良い教育環境を提供しようと努めています。地域の発展と共に歩み、教育活動を展開する公立中学校です。

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