奉ソ協定

奉ソ協定について

奉ソ協定とは、1924年に張作霖政権が存在した東三省政府とソビエト連邦政府との間で締結された重要な協定です。正式な名称は「中華民国東三省自治政府とソビエト社会連邦政府の協定」で、中東鉄道の利権に関する取り決めを中心に構成されています。この条約の締結背景及びその後の影響について詳しく見ていきましょう。

協定の背景

奉ソ協定が調印される前の1924年5月、中国とソ連の政府間では国交回復を目的とする北京協定が結ばれました。ここで、中東鉄道、すなわち中国東北地方を通る鉄道の運営権についても確認がなされました。しかし、当時の東三省を支配していた張作霖の政権はこの協定に不満を抱いており、中華民国北京政府の意向を無視して奉天において独自の協定を結ぶことを決定しました。これが奉ソ協定です。

協定の内容

奉ソ協定の主な内容は、ソ連がロシア帝国時代から持つ中東鉄道の権益を再確認し、その管理運営について取り決めることでした。鉄道の運営のために設けられた理事会は、両国からそれぞれ5人ずつで構成され、理事長は中国人、そして副理事長はソ連人が任命されるという形が取られました。また、鉄道管理局及び幹部人事に関しても、国籍に基づく配分がなされました。

その後の展開

1930年代初めには、中ソ国境線画定作業の開始が発表されましたが、中国国内での北伐などの政治的動乱によってこの作業は中断を余儀なくされました。その後、1925年にはソ連が越権行為と見なされる第九十四号命令を発令し、この行動に対して中華民国政府は強く反発しました。

このように、奉ソ協定は両国の関係に深く影響を与えましたが、1929年に張作霖が亡くなると、新たに権力を握った彼の子息、張学良によって協定は事実上無効とされ、ソ連から鉄道権益を取り戻そうとする行動に出ました。これにより、奉ソ協定は破棄されることとなります。

まとめ

奉ソ協定は、歴史的に見ても重要な意義を持つ協定であり、当時の中国の政治情勢や国際関係を象徴するものとして認識されています。この協定によって、鉄道の運営や管理に関する国際的な取り決めが形成され、またそれが後の中ソ関係における緊張と衝突の原因ともなりました。協定の成果と結果を精査することは、今後の歴史理解へとつながることでしょう。

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