奥井義昭

奥井 義昭について

奥井義昭（おくい よしあき）は、1960年生まれの日本の建設工学者です。現在、埼玉大学工学部の教授を務め、その間に工学部長も経験しました。奥井教授は、構造物解析や応用材料力学という専門分野に注力し、特に岩石や高分子材料の非線形挙動、さらには鋼材および合成構造を用いた橋梁工学の研究に従事しています。

略歴

奥井義昭は1983年に埼玉大学工学部を卒業し、その後1985年に同大学の大学院工学研究科修士課程を修了しました。卒業後は川崎重工株式会社に入社し、1989年には埼玉大学に助手として移りました。さらに1993年には東京大学から工学博士の学位を取得し、埼玉大学に助教授として在籍しました。2009年には教授に昇進し、現在までその地位を保持しています。彼の研究活動は国内外で評価されており、1996年から1997年にはオランダのデルフト工科大学で客員研究員としても活動しました。

研究分野と業績

奥井教授の主な研究分野は、構造物解析や応用材料力学です。具体的には、非線形挙動を持つ岩石や高分子材料の解析、さらには橋梁工学における鋼・合成構造に関する研究が中心です。生涯にわたって、多くの論文を発表しており、特に構造設計やひび割れ解析に関する研究で広く知られています。例えば、初期たわみと残留応力に関する数値解析や、プレキャスト床版連続合成桁の実験研究などが挙げられます。また、「高減衰ゴム支持装置のレオロジーモデル」などの研究も行っており、構造工学の理論と実践に寄与しています。

主要な論文としては、2014年に発表した「初期たわみと残留応力の統計データを用いた自由突出板の限界強度に関する数値解析的検討」があります。さらに、2012年の「プレキャスト床版連続合成桁のずれ止めに関する実験および解析」や、2010年の「２重合成Ｉ桁の曲げ及びせん断強度の評価方法に関する実験的研究」なども彼の代表的な業績です。

主な著書

彼が共著者として携わっている著書に『道路が一番わかる』があり、交通や道路に関する知識を一般に向けて紹介しています。この書籍は技術評論社から2009年に出版され、多くの読者に支持されています。

受賞歴

奥井教授は、その研究成果により数多くの賞を受賞しています。2007年と2010年には土木学会田中賞論文部門を受賞し、2011年には土木学会論文賞や再び田中賞を受賞しました。また、2018年には栗田=アルブレヒト最優秀科学論文賞を受賞し、2025年には土木学会研究業績賞も獲得予定です。彼の研究は、学術の発展に大いに寄与しており、今後のさらなる活躍が期待されています。

まとめ

奥井義昭教授は、埼玉大学において教育と研究に精力的に取り組んでいる著名な建設工学者です。彼の幅広い研究領域は、多くの学生や若手研究者に影響を与え、土木工学の発展に寄与しています。

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