奥薗満

奥薗 満

奥薗 満（おくぞの みつる）は、1951年7月26日に鹿児島県で生まれた、日本の元プロ野球選手（捕手）です。現役時代は主にブルペン捕手としてチームを支え、引退後も球団職員やアマチュア野球の指導者として、長年にわたり野球界に貢献しています。

経歴

高校時代

奥薗は、地元の鹿児島県にある強豪校、鹿児島商業高等学校で野球に取り組みました。捕手としてチームの中心を担い、2年生だった1968年の夏には、同期のエースである徳重次男投手（後に社会人野球の日立製作所でプレー）とバッテリーを組み、全国高等学校野球選手権大会、いわゆる夏の甲子園への出場を果たしました。しかし、チームは初戦で千葉商業高校に敗退し、甲子園での勝ち星を挙げることはできませんでした。

翌年、奥薗が3年生となった1969年の夏も、鹿児島商業高校は再び甲子園への出場権を獲得し、2年連続で聖地の土を踏みました。この大会では、1回戦で栃木県の宇都宮学園高校を見事に完封で下しましたが、続く2回戦で、この年の大会で最終的に全国制覇を成し遂げた愛媛県の松山商業高校に敗れ、残念ながら勝ち進むことはできませんでした。

プロ選手としての道のり

高校卒業後、奥薗は1969年のドラフト会議を経ずに、当時のプロ野球球団であるアトムズ（後に球団名がサンケイスワローズを経てヤクルトスワローズ、現在の東京ヤクルトスワローズへと変更される）に入団しました。プロ野球選手としての登録は捕手でした。

彼がアトムズに入団した当時のヤクルト捕手陣には、後に球界を代表する名捕手となる大矢明彦選手や、強打の捕手として活躍する八重樫幸雄選手といった実力のある選手たちが既に在籍しており、レギュラーとして試合に出場する機会を得るのは非常に難しい状況でした。

奥薗は、1980年までのおよそ11年間、プロ野球選手としてチームに在籍しましたが、残念ながらこの間に一軍の公式戦に出場することは一度もありませんでした。彼は主にブルペン捕手という役割を担い、試合に出場する投手陣の練習相手や調整、ウォーミングアップなどを献身的にサポートしました。ブルペン捕手は、目立つ機会は少ないものの、チームの勝利を支える上で非常に重要な裏方の仕事であり、奥薗は長年にわたりこの役割を誠実に務め上げました。

引退後のキャリア

現役選手としてのキャリアに幕を下ろした後も、奥薗はすぐに野球界を離れることはありませんでした。1983年までの3年間は、引き続きブルペン捕手としてチームを支え、裏方として貢献を続けました。その後、33歳を迎えた頃に、球団職員として新たなキャリアをスタートさせ、スカウトへと転身しました。

スカウトとしては、西武ライオンズへと移籍し、主に九州地方を担当エリアとして、将来有望なアマチュア選手の獲得に尽力しました。彼のスカウト活動からは、後に西武ライオンズの中心選手として活躍する赤田将吾選手など、多くの才能ある選手がプロの世界へと羽ばたきました。奥薗は、自身の経験と培った人脈を活かし、球団の未来を担う選手の獲得に貢献したのです。

スカウトとしての実績が認められ、2009年12月には、西武ライオンズの球団編成部において、アマチュア担当部長という重要なポストに昇進しました。これは、アマチュア球界からの選手発掘・獲得戦略全体を統括する責任ある役職であり、彼の長年の貢献と手腕が高く評価された結果と言えるでしょう。

西武ライオンズを退団した後も、奥薗は野球への情熱を持ち続けました。地元の鹿児島県に戻り、都築学園グループが運営する第一工業大学の硬式野球部でコーチを務め、学生たちの指導にあたりました。その後は、同じ都築学園グループに属する福岡県の日本経済大学でも指導者として活動しており、現在もアマチュア野球のレベル向上と若手育成に力を注いでいます。

背番号

プロ野球選手及びブルペン捕手として在籍した期間に背負った番号は以下の通りです。

70（1970年）
32（1971年 - 1977年）
59（1978年 - 1980年）
64（1981年 - 1983年）

関連事項

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