奥谷彰男

奥谷彰男（おくたに あきお）は、1959年11月1日に大阪府高槻市で生まれた元サッカー審判員であり、現在は日本サッカー協会（JFA）のサッカー1級審判インストラクターとして活動する一方、昇陽中学校・高等学校のサッカー部顧問を務めています。彼のサッカーに対する情熱と裁定技術は、多くの選手や指導者に影響を与えています。

奥谷は日本体育大学でサッカー部に所属していた頃、フォワードとしてフィールドを駆け回っていました。1993年11月には1級審判として登録し、審判活動を開始しました。最初は副審としての経験を積みましたが、1998年からは主に主審としてJリーグのゲームで活躍するようになりました。その後、大阪府立高校の保健体育教諭としても教壇に立つなど、教育者としても多忙な日々を送っていました。

彼のキャリアの中で特徴的なのは、その個性的な外見と判定スタイルです。スキンヘッドの風貌はイタリアの審判、ピエルルイジ・コッリーナを彷彿とさせたことから一部では「和製コッリーナ」と呼ばれていましたが、特に多くのカードを出す傾向があり、アウェー寄りの判定が目立つことから「偽コッリーナ」とのネガティブな呼称も生まれました。当時、奥谷自身も試合中に注目の的となることが多く、「今日の試合で最も目立ったのは主審である奥谷」と言われることがしばしばありました。

特に記憶に残る試合は2003年に行われたJ1 2ndステージの 横浜F・マリノス対セレッソ大阪戦です。この試合では、開始早々にわずか2分間で3枚のイエローカードを提示し、最終的には12枚ものイエローカードが出され、1名が退場になる大乱戦となりました。この混乱は、Jリーグのレフェリー会議での伝達を受け、ルールを厳格に適用した結果とも言われていますが、日本サッカー協会のチーフ審判インストラクターであるレスリー・モットラムは、奥谷のジャッジを評価していました。

2010年12月3日には、日本サッカー協会から2010年シーズン限りでの審判引退が発表され、翌日にはセレッソ大阪対ジュビロ磐田戦が彼の最後の試合となりました。17年間の審判としてのキャリアを通じて、J1レフェリーとして155試合、アシスタントレフェリーとして52試合、J2レフェリーとして30試合を担当しました。

また、教育の分野でも活躍しており、大阪府立大冠高等学校や大阪府立槻の木高等学校のサッカー部の顧問を歴任し、現在は昇陽中学校・高等学校のサッカー部を指導しています。若い選手たちに対する情熱と教育理念は、彼のサッカーへの愛情を感じさせます。サッカー界における奥谷の影響は十分に感じ取れるもので、彼の経験談や指導法は今後の世代にも受け継がれていくことでしょう。

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