奥野基芳

奥野基芳(おくの もとよし)は、1905年11月27日、東京都新宿区に生まれました。1931年、小泉雅信八段に入門し、将棋界の道を歩み始めます。そして1934年1月1日、四段としてプロ棋士となりました。

彼の棋士としての経歴は、1949年の引退まで続きます。華々しいタイトル獲得などの記録は少ないかもしれませんが、奥野基芳の名前は、戦後の将棋界発展に大きく貢献した棋士として、記憶されています。

引退後も、奥野基芳は将棋界への貢献を続けました。日本将棋連盟の運営に携わり、特に出版部などでその手腕を発揮。戦後、中断していた将棋雑誌『将棋世界』の復刊に尽力するなど、日本の将棋文化の復興に重要な役割を果たしました。これは、棋士としての技量だけでなく、組織運営や出版といった分野における能力も高く評価できる証左と言えるでしょう。

奥野基芳の棋風については、詳細な情報が残念ながら現存資料では不足しています。しかし、戦後の将棋界発展に貢献した棋士としての彼の存在は、多くの棋士や将棋ファンにとって、敬意と感謝の念を抱かせるものです。

昇段履歴は以下の通りです。1934年1月1日に四段、その後六段に昇段し、1949年に引退。引退後も、1968年には七段に昇段しています。そして、1985年2月13日、肺がんで70歳でこの世を去りました。彼の死後、その功績を称え、日本将棋連盟より八段が追贈されました。

奥野基芳の棋士人生は、華麗なタイトル獲得という形での成功とは異なる、しかしながら将棋界の発展に欠かせない重要な役割を果たした、静かな貢献の物語でした。彼の努力と貢献は、後世の将棋界に大きな影響を与え続け、現在も多くの将棋ファンに語り継がれています。彼の名を記した棋譜や記録は少ないかもしれませんが、戦後の将棋界を支えた彼の功績は、決して忘れられることはありません。

奥野基芳という名は、華やかな勝利の数々ではなく、日本の将棋界発展に貢献した隠れた功労者として、将棋史に刻まれています。彼の生涯は、プロ棋士としての活躍だけでなく、将棋界の発展に貢献した、静かなる巨人としての物語と言えるでしょう。

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