女による女のためのR-18文学賞

女による女のためのR-18文学賞について

女による女のためのR-18文学賞（以下、R-18文学賞）は、新潮社が主催する公募の新人文学賞です。この賞は、女性作家が女性を対象にした創作物を評価される場として設立されました。一般的にはR-18文学賞と呼ばれ、性に関するテーマを扱った作品に特化している点が特徴です。

応募の条件について

この賞の応募者は、女性に限定されています。また、選考に携わる委員や下読みに参加する編集者も女性のみというルールがあります。こうした取り組みは、女性の視点から性をテーマにした物語の発掘を目的としています。

当初は、エロティックな小説を主に募集していましたが、第11回以降、選考委員が「女性が性について書くことはもはや珍しくなくなった」との見解から、応募作品の要件が変更されました。これにより、作品は「女性ならではの感性を生かした小説」という形で広がり、引き続き官能をテーマにした作品も受け入れられています。

選考と受賞について

選考過程では、最終候補作がウェブ上で公開され、選考委員の投票で大賞が選ばれます。また、一般読者による投票で決定する読者賞も設けられています。受賞作は、『小説新潮』や『yom yom』といった雑誌に掲載され、受賞者には大賞30万円、読者賞10万円が贈られます。さらに、副賞として体脂肪計付ヘルスメーターも用意されています。

2021年7月には、賞のテーマが「書き手の感性を生かした小説」に見直され、大賞と友近賞の2部門が独立するなどのリニューアルが発表されました。

受賞作品と選考委員

受賞作は、初回から現在まで毎年発表されています。第1回から第10回までは主に光野桃さんや山本文緒さん、角田光代さんが選考委員を務め、次第に三浦しをんさんや辻村深月さんが加わっていきました。特に第14回からは、お笑いタレントの友近さんも選考に参加し、彼女を冠とした友近賞が設立されるなど、より多様な視点が取り入れられるようになっています。

選考委員は、これまでの実績がある作家たちが配置されており、特に女性作家たちが中心となっている点が、この文学賞のユニークさを際立たせています。最近では、窪美澄さんや東村アキコさん、柚木麻子さんらも選考に名を連ね、広がりを見せています。

まとめ

女による女のためのR-18文学賞は、性をテーマにした文学が持つ重要性を再認識させるとともに、女性が自由に自らの感性を表現できる場を提供することを目指しています。この賞は、新しい世代の女性作家たちにとっての登竜門として、今後も注目され続けることでしょう。

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