女囚さそり けもの部屋

女囚さそり/けもの部屋：逃亡と復讐の物語

1973年、東映東京撮影所で製作された『女囚さそり/けもの部屋』は、女囚さそりシリーズの第3作目にあたる日本[[映画]]です。前2作とは独立した物語となっており、殺人犯として逃亡中の松島ナミ（梶芽衣子）の新たな逃亡劇と復讐劇が描かれています。

ストーリー概要

物語は、地下鉄での逃亡中に刑事・権藤（成田三樹夫）に追いつめられたナミが、彼を負傷させながら逃亡するシーンから始まります。その後、彼女は若い女性・ユキ（渡辺やよい）と出会い、アパートで共同生活を始めます。しかし、ユキの悲しい過去や、ナミを取り巻く過酷な現実が明らかになるにつれて、物語は予想だにしない方向へと進んでいきます。

ナミは、街を牛耳る鮫島興行社長・鮫島剛次（南原宏治）とその妻・カツ（李礼仙）の陰謀に巻き込まれ、監禁されてしまいます。カツはナミがかつて刑務所にいた「さそり」だと認識しており、個人的な恨みからナミを徹底的に苦しめようとするのです。一方、ユキは、家庭の事情から売春をしており、妊娠したことをナミに打ち明けます。

監禁されたナミは、鮫島夫妻の非道な行為を目の当たりにし、その怒りを爆発させます。彼女は檻から脱出し、闇医者への復讐を果たし、その後は鮫島夫妻とその手下たちへの復讐を開始します。ナミの復讐劇は、権藤刑事の執拗な追跡と、追い詰められた鮫島夫妻の悲惨な末路へと繋がっていきます。

クライマックスは、下水道での壮絶な逃亡劇です。ナミは権藤の巧妙な罠にはまり、下水道に火を放たれ絶体絶命の危機に陥ります。しかし、ユキの助けを借りながら、彼女は生き延びようとしますが、物語は衝撃的な結末を迎えます。

作品の特色

本作は、前作までのシリーズ作品とは異なり、ストーリー上の繋がりはほとんどありません。しかし、ナミの冷酷さと脆さ、そして彼女を取り巻く女性たちの悲痛な叫びが、より深く描かれています。ナミとユキの友情、女性たちの辛い運命、そしてナミの執念深い復讐劇は、観る者に強い印象を与えます。

監禁シーンや下水道の逃亡シーンなど、映像表現も非常に衝撃的で、当時大きな話題となりました。また、梶芽衣子の演技も高く評価されており、彼女の存在感が本作を支えています。撮影中には、梶芽衣子と監督・スタッフとの間で様々な軋轢があったとも言われています。

キャストとスタッフ

本作には、梶芽衣子、成田三樹夫、南原宏治、李礼仙、渡辺やよいなど、豪華なキャスト陣が出演しています。監督は伊藤俊也、脚本は松田寛夫が担当しています。

まとめ

『女囚さそり/けもの部屋』は、単なるアクション映画にとどまらず、女性の生き様や社会の闇を鋭く描いた作品です。ナミの逃亡劇、復讐劇、そして彼女を取り巻く人々のドラマは、観る者の心に深く刻まれることでしょう。衝撃的なラストシーンは、シリーズの中でも特に印象的なものとなっています。 シリーズファンのみならず、社会派作品を好む方にもおすすめしたい作品です。

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