女子差別撤廃委員会

女子差別撤廃委員会（CEDAW）について

女子差別撤廃委員会、通称CEDAW（Committee on the Elimination of Discrimination against Women）は、国際連合の人権理事会によって設立された重要な機関です。この委員会は、女子差別を根絶するための国際的な枠組みである女子差別撤廃条約（1979年採択、1981年発効）の実施状況を監視する役割を担っています。

概要

女子差別撤廃条約は、女性に対するあらゆる形の差別を撤廃し、男女平等の実現を目指す国際合意です。女子差別撤廃委員会は、この条約の第17条に基づき、締約国からの実施報告を検討し、国連総会に報告や提案を行っています。具体的には、毎年3回の会合を設けて、各国の取り組みを評価する活動を行っています。

個人通報制度

この委員会は、女子差別の被害を受けた個人がその状況を通報するための制度も設けています。これは女子差別撤廃条約の選択議定書に基づくものですが、日本はこの議定書を未だ批准していません。日本政府は、司法権の独立を理由に個人通報制度の導入を認めていないため、国会での議論が続いています。

委員会の機能と活動

CEDAWは、締約国から提出された報告書を審査するだけでなく、その結果に基づいて勧告や提案を行っています。特に、政府報告審査は各会期ごとに3週間行われ、その中で各国がどのように女子差別撤廃条約を実施しているかを詳しく議論します。委員会の活動は、経済社会理事会を通じて国連総会に報告され、さらなる国際的なアクションを促す役割を果たしています。

委員の構成

女子差別撤廃委員会は、締約国から選出された23名の専門家によって構成され、これらの委員は個人の資格で活動を行います。メンバーの職業背景は多様で、弁護士や政府関係者、学者、女性団体の代表などが含まれています。委員の任期は4年で、2年ごとに半数が改選されます。

日本との関係

日本もCEDAWに関与しており、いくつかの日本人が委員として活躍してきました。たとえば、元文部大臣の赤松良子氏や元証券取引等監視委員長の佐藤ギン子氏が委員を務めた経歴があります。

日本政府も委員会の勧告に従って男女平等の政策を進める努力をしていますが、選択的夫婦別姓制度の導入や再婚禁止期間の見直しなど、一部の問題については依然として課題が残っています。これらの問題に対する国際的な評価も影響を与えています。

結論

女子差別撤廃委員会は、国際レベルでの性別に基づく差別の撤廃を推進し、実効性のある政策を各国に求める重要な役割を果たしています。加盟国はこの委員会の活動を通じて、女子差別の実態を把握し、男女平等の社会を実現するための取り組みを強化する必要があります。

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