女川町立女川中学校

女川町立女川中学校

宮城県牡鹿郡女川町に位置する公立中学校です。東日本大震災という未曽有の出来事が、この学校の設立と教育のあり方に深く関わっています。

設立の背景

2011年3月11日に発生した東日本大震災は、女川町に甚大な被害をもたらしました。多くの尊い命が失われ、町の姿は大きく変わりました。この災害により、女川町の人口は大きく減少。教育環境も再編の必要に迫られました。かつて町内には複数の公立中学校が存在しましたが、震災後の状況を踏まえ、未来を担う子どもたちのために新たな学校教育の場を設けることとなりました。これが、女川町立女川第一中学校と女川町立女川第二中学校を統合し、「女川町立女川中学校」として生まれ変わる契機となったのです。

沿革

女川中学校は、震災から2年後の2013年4月1日に開校しました。この開校と同時に、初代校長として高橋功氏が着任しました。新しい学校生活の始まりは、希望に満ちたものでした。同年9月14日には、初めての運動会が開催され、地域のNPOであるカタリバの支援も得ながら、生徒たちの活気あふれる姿が見られました。また、震災の記憶を後世に伝えるとともに、未来への誓いを新たにする場所として、同年11月23日には校舎前の広場に「女川いのちの石碑」（「夢だけは壊せなかった大震災」と刻まれている）が建立されました。

開校後も学校は発展を続けます。2014年4月1日には浅川光喜氏が2代校長に、2016年4月1日には山野和好氏が3代校長に就任し、それぞれの時代で学校運営に尽力しました。そして2020年4月1日、伊藤拓巳氏が4代校長として着任します（2020年10月20日時点）。

2020年は女川中学校にとって大きな節目の年となりました。同年8月23日には、待望の新校舎が供用開始となりました。鉄筋コンクリート造りの4階建ての校舎は、新しい学びの場として生徒たちを迎え入れました。さらに、この年から女川中学校は、町内唯一の小学校である女川町立女川小学校との小中一貫校としての歩みを始めました。これは、子どもたちが義務教育9年間を通して、より円滑で一貫性のある学びを深められるようにという、町の教育に対する新たな取り組みです。

かつて存在した中学校

女川町には、女川中学校として統合される以前、いくつかの公立中学校が存在しました。主なものとしては、女川町立女川第一中学校、女川町立女川第二中学校（旧女川第四小学校と併設）、女川町立女川第三中学校（旧女川第五小学校と併設）、女川町立女川第四中学校（旧女川第六小学校と併設）などがあります。これらの学校は地域の教育を長年担ってきましたが、時代の変遷と震災による影響を受け、再編統合へと至りました。

学区

女川中学校は、女川町の全域を学区としています。町内に居住するすべての中学生がこの学校に通学することになります。

歴代校長

2020年10月20日時点の歴代校長は以下の通りです。

初代：高橋 功
2代：浅川 光喜
3代：山野 和好
4代：伊藤 拓巳（現校長）

東日本大震災との関連

東日本大震災は、女川中学校の設立に直接的な影響を与えました。学校施設自体は大きな直接被害を受けませんでしたが、震災による町の人口減少は、生徒数の減少に繋がり、教育環境の再編・統合という大きな流れを生み出しました。女川中学校は、震災からの復興のシンボルの一つとして、そして新しい女川の教育の中心として、地域と共に歩んでいます。

関連事項

宮城県中学校一覧
女川いのちの石碑
* 女川町立女川小学校

女川中学校は、過去の困難を乗り越え、地域の未来を築く子どもたちの育成に力を注いでいます。小中一貫教育や新しい校舎での学びを通して、生徒たちは豊かな人間性と確かな学力を育んでいます。

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