女性秘匿捜査官・原麻希シリーズ

女性秘匿捜査官・原麻希シリーズ

吉川英梨氏が手掛ける日本の人気推理小説シリーズです。著者のデビュー後、初めてのシリーズ作品として発表されました。著者は2008年に『私の結婚に関する予言38』で第3回日本ラブストーリー大賞エンタテインメント特別賞を受賞しており、本シリーズはそのキャリアにおいて重要な位置を占めています。

主人公

シリーズの主人公は、原麻希（はら まき）です。彼女は警視庁の警察官であり、二人の子供を持つ母親でもあります。そのキャリアは多彩で、警視庁捜査一課、鑑識課を経て、後に警視庁捜査一課の13係係長に昇進します。自身のフルネームを音読みで「ハラマキ」と呼ばれることを好まないという一面も持ち合わせています。家族構成としては、夫の連れ子である長男と、夫との間に生まれた長女がいます。『マリア』という作品の結末では巡査部長から警部補へ昇進し、8名の部下を率いる立場となります。

主な登場人物

広田達也（ひろた たつや）：警視庁公安部公安課に所属する刑事で、麻希の元恋人という関係です。
原則夫（はら のりお）：麻希の夫であり、警察庁公安部外事課に勤務しています。
原健太（はら けんた）：夫である則夫と前妻の間に生まれた息子。麻希とは10歳しか離れておらず、現在は定職を持たない生活を送っています。
原菜月（はら なつき）：則夫と麻希の間に生まれた娘です。シリーズのスピンオフ作品に当たる『しあわせなミステリー』に収録された短編『18番テーブルの幽霊』では主人公を務めます。

シリーズの展開

本シリーズでは、原麻希が「女性秘匿捜査官」として、事件解決に挑む姿が描かれます。女性ならではの視点や、時に母親としての経験も活かしながら、複雑な人間心理や社会の闇に隠された真実を暴いていくのが特徴です。

テレビドラマ化

本シリーズは、フジテレビ系列の「金曜プレステージ」特別企画としてテレビドラマ化されました。タイトルは『女秘匿捜査官 原麻希』で、主演は女優の瀬戸朝香さんが務めました。当初は2012年6月15日に放送が予定されていましたが、同日にオウム真理教の高橋克也容疑者が逮捕されたことに伴い、急遽報道特別番組が組まれたため、放送日は2012年7月13日に延期されました。

ドラマ版では、原作の設定と一部異なる点が見られます。例えば、原作で鑑識課に所属している麻希が捜査一課の刑事として描かれたり、夫の則夫や広田達也の所属部署が変更されたりしています。

ドラマ版キャスト

原麻希：瀬戸朝香
広田達也：吹越満
原則夫：石黒賢
戸倉加奈子：財前直見
原健太：勝地涼
原菜月：古庄みかる
水谷智樹：松尾敏伸
妹尾浩輔：高杉亘
関谷眞一：間宮祥太朗
ほか多数

ドラマ版スタッフ

脚本：松本美弥子
演出：葉山裕記
警察監修：北芝健
プロデュース：志村彰、高石明彦
制作：フジテレビ
製作著作：The icon

本シリーズは、主人公の複雑な背景と警察官としての能力、そして家族との関係性が織りなす人間ドラマが魅力であり、多くの読者を引きつけています。スピンオフ作品も存在し、世界観を広げています。

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