女息 -MEIKI-

アン・ルイスの15枚目のスタジオ・アルバム『女息 -MEIKI-』（めいき）は、1988年5月21日にビクター音楽産業から発売されました。本作は、『遊女』『JOSHIN』に続く、いわゆる″女シリーズ″の第3作として位置づけられています。

アルバムタイトルの『女息 -MEIKI-』には、"女の息"、"女の器"、そして楽器の"名器"という3つの意味が込められています。このトリプル・ミーニングが、アルバム全体のコンセプトを象徴していると言えるでしょう。

先行シングルとしてリリースされた「KATANA」は、アルバムバージョンとして収録されています。このバージョンは、シングルとは異なるアレンジが施されており、アルバムならではの魅力を引き出しています。

本作の制作にあたり、アン・ルイスはリラックスした雰囲気でレコーディングに臨みたいと考え、制作拠点を前作までのロンドンからロサンゼルスに移しました。編曲とキーボードを担当する佐藤準、ギター担当の北島健二も同行し、現地のミュージシャンとの交流を通じて、新たな音楽性を追求しています。

特に注目すべきは、アメリカ合衆国のギタリスト、ジェイク・E・リー（Jake E. Lee）が、「MEIKI」「月下の獣達」「殉愛」の3曲でギター演奏を披露している点です。彼の独特なギタープレイが、アルバムに深みと奥行きを与えています。

CDは1988年の発売後、長らく廃盤の状態が続いていましたが、2007年9月21日におよそ19年ぶりに紙ジャケット仕様で再発売されました。さらに、2013年9月25日にはタワーレコード限定で再発売され、2022年3月2日にはMEG-CDでの取り扱いが開始されるなど、近年再び注目を集めています。

『女息 -MEIKI-』は、アン・ルイスの新たな音楽的挑戦と、彼女自身の変化を反映した作品と言えるでしょう。ロサンゼルスでのレコーディング、ジェイク・E・リーの参加など、様々な要素が組み合わさり、唯一無二のサウンドスケープを構築しています。彼女のキャリアの中でも重要な一枚として、再評価が進んでいます。

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