好きにならずにいられない (映画)

映画『好きにならずにいられない』について

『好きにならずにいられない』（原題：Fúsi）は、2015年に公開されたアイスランドとデンマーク合作のドラマ映画です。ダーグル・カウリが監督・脚本を務め、グンナル・ヨンソンとリムル・クリスチャンスドッティルが主演を務めました。

あらすじ

物語の主人公は、43歳の独身男性フーシ。心優しい性格でジオラマ作りが趣味という、少しオタク気質な巨漢です。彼は女性経験がなく、職場の後輩からは陰湿ないじめを受けるなど、不遇な日々を送っています。

そんなフーシが、ダンススクールで出会った女性シェヴンと恋に落ちます。しかし、シェヴンはうつ病を患っており、二人の恋路は決して平坦ではありません。不器用ながらも愛を育もうとするフーシの姿は、観る者の心を温かくします。

キャスト

フーシ: グンナル・ヨンソン - 心優しい巨漢で、ジオラマオタク。不器用ながらも恋に奮闘する主人公。
シェヴン: リムル・クリスチャンスドッティル - フーシがダンススクールで出会う、うつ病を患う女性。
モルドゥル: シグリオン・キャルタンソン - フーシの友人。
フィヨラ: マーグレット・ヘルガ・ヨハンスドッティル - フーシの母親。
ロルフ: アルナル・ヨンソン - フィヨラの恋人。
ヘラ: フランチスカ・ウナ・ダグスドッティル - フーシが住むアパートに引っ越してくる少女。
エルヴァル: ソーリル・サイムンドソン - フーシの職場の同僚で、陰湿ないじめをする人物。

製作の背景

監督のダーグル・カウリは、約15年前にテレビ番組で出会ったグンナル・ヨンソンを主人公に想定して脚本を執筆しました。当時、ヨンソンは貨物船の料理人として働いていましたが、カウリが直接電話で出演を依頼。ヨンソンは当初脚本に乗り気ではなかったものの、数日後に出演を承諾しました。

撮影は基本的に1日12時間で5週間行われましたが、当初予定されていたエジプトでの撮影は予算の都合で断念され、脚本が一部変更されました。

作品の評価

本作は、批評家からも高い評価を得ています。

Rotten Tomatoes: 12件のレビュー中、92%が高評価。
ハリウッド・リポーター誌: 主演のグンナル・ヨンソンの演技を高く評価。

スティーヴン・ダルトンは、ヨンソンの表情や声が内面の苦悩とユーモアを表現していると評し、クリスチャンスドッティルの魅力についても言及しています。

一方で、物語は暗さや深さ、心理的な複雑さからは遠く、潜在的に重いテーマを軽やかに描いていると指摘しています。また、ハッピーエンドにせず、人間的な妥協の産物として慎重に明るい結末を用意した点を評価しています。

受賞歴

本作は、以下の映画賞を受賞しています。

第12回ノルディック映画賞
第14回トライベッカ映画祭 作品賞・主演男優賞・脚本賞
第60回バリャドリッド国際映画祭 主演男優賞
第7回コペンハーゲン国際映画祭 観客賞
第15回マラケシュ国際映画祭 主演男優賞
第37回カイロ国際映画祭 最優秀監督賞

日本での公開

日本では、2016年2月に開催されたトーキョーノーザンライツフェスティバル2016で上映された後、2016年6月から一般公開されました。

外部リンク

公式ウェブサイト（日本語）
映画.com
allcinema
KINENOTE
シネマトゥデイ
MOVIE WALKER PRESS
オールムービー（英語）
IMDb（英語）
Rotten Tomatoes（英語）

この映画は、不器用ながらも愛を求め、自分らしく生きようとする主人公の姿を通して、観る者に温かい感動を与えてくれます。ぜひ一度ご覧ください。

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