妄想少女オタク系

妄想少女オタク系

『妄想少女オタク系』は、紺條夏生による日本の漫画作品であり、2004年に双葉社『COMIC HIGH』で読み切り掲載後、2005年から『コミックハイ！』にて連載されました。腐女子を主人公にした、恋愛要素も盛り込まれたコメディ作品として人気を博しています。

概要

本作は、主人公である女子高生の浅井留美が、自身の腐女子的な趣味や妄想を通して繰り広げる日常を描いています。留美の妄想は時にクラスメイトにまで及び、その独特な視点と行動が笑いを誘います。しかし、ただのコメディに留まらず、友人関係や恋愛といったテーマも織り交ぜられ、共感できる部分も多く含んでいます。

単行本は日本国内で全7巻が刊行された他、台湾、香港、アメリカ、フランスでも翻訳出版されており、海外でも広く読まれています。また、第11回ジャパンエキスポ少女マンガ部門ではグランプリを受賞するなど、高い評価を得ています。2008年にはフロンティアワークスよりドラマCDが全2巻で発売され、2007年には実写映画化もされました。

登場人物

浅井 留美（あさい るみ）
主人公。高校1年生。筋金入りの腐女子で、クラスメイトのBLを妄想することも。阿部から告白されるも、恋愛には疎く、阿部との関係は曖昧なまま。美術部に所属し、やおい系同人誌を執筆しています。好きな声優は緑川光や石田彰。

阿部 隆弘（あべ たかひろ）
留美に恋心を抱く、アニメとは無縁な純情な男子高校生。留美のオタク趣味に戸惑いながらも、彼女に勧められたアニメや漫画をチェックするなど努力しています。留美のことを考えると、妄想の中で彼女が巨乳化したり、自分がマッチョ化したりする一面も。

千葉 俊介（ちば しゅんすけ）
阿部の親友。腐女子関連に詳しいのは、姉が大手同人サークル主宰者であるため。学校一のイケメンで女子からの人気も高いが、告白は全て断っています。美術部でまっつん達と関わるうちに、彼女に恋心を抱くようになり、学園祭で告白します。

松井 曜子（まつい ようこ）
通称まっつん。中学時代は太っていて地味な腐女子だったが、高校入学を機にダイエットし、学校一の美少女に。かつて千葉に告白して振られたことがあり、千葉が留美に興味を持っていることから、留美をいじめようと画策するも、最終的には親友となります。

塚本 英美（つかもと ひでみ）
高校3年生の柔道部主将。ゲイであり、千葉に恋心を抱いています。男気があり、ホモ好きの女子達から人気があります。学園祭で千葉に告白し、千葉が松井に告白するきっかけを作ります。

百瀬 つぐみ（ももせ つぐみ）
阿部の中学時代の同級生。ギャル風の外見ですが、実は隠れ腐女子。阿部に好かれている留美に嫉妬し、嫌がらせをしますが、空回りしてしまいます。

千葉 由紀（ちば ゆき）
俊介の姉。ペンネームは柊雪姫。人気同人サークル「ビタミン・ワンダフル」の漫画担当で、カリスマ的な同人作家。弟の俊介を絡めたBLを妄想しています。

葵 ハルカ（あおい ハルカ）
由紀のパートナーで、「ビタミン・ワンダフル」の小説担当。まっつんが憧れる作家。可愛らしい外見をしていますが、立派な腐女子です。

映画

2007年12月には実写映画版が公開されました。監督は堀禎一、脚本は多胡由章と尾上史高が担当。映画では、漫画の世界観を忠実に再現しつつ、実写ならではの表現で腐女子の世界を描き出しています。

まとめ

『妄想少女オタク系』は、腐女子というニッチな題材を扱いながらも、恋愛や友情といった普遍的なテーマを織り交ぜ、多くの読者の共感を呼んでいます。個性的なキャラクター達と、コミカルなストーリー展開が魅力の作品です。

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