妊活

妊活とは

妊活とは、「妊娠活動」を略した言葉で、妊娠を望む男女が妊娠に向けて行う様々な活動のことです。具体的には、妊娠に関する正しい知識を身につけること、夫婦やパートナーと将来の家族計画について話し合うこと、自身の体の状態を把握すること、そして必要に応じて医療機関での不妊治療を受けることなどが含まれます。

妊活が必要とされる背景

近年、晩婚化や共働き世帯の増加、生活習慣の変化などにより、妊娠を希望するにもかかわらず、なかなか妊娠に至らないカップルが増えています。これは、不妊の状態にあると考えられ、自然妊娠をしやすい環境づくりや、医療によるサポートが必要となる場合があります。

特に、晩婚化の影響は大きく、第一子出産時の母親の平均年齢は上昇傾向にあります。1980年には26.4歳だったものが、2015年には30歳を超えており、それだけ妊活を必要とする人が増えていることを示しています。

また、不妊の原因は女性側だけでなく、男性側、または男女双方にある場合も少なくありません。実際、不妊の原因の約48％は男性側、または男女双方にあるとされています。そのため、妊活は女性だけでなく、男性も主体的に取り組むことが重要です。

妊活の現状

近年、女性の体について学ぶ授業の一環として、妊活を扱う中学校や高校も出てきています。これは、若いうちから妊娠に関する正しい知識を持つことの重要性が認識されてきたためでしょう。

一方で、働く女性を対象としたアンケート調査では、妊娠は女性にとって大きなライフイベントであるものの、実際に妊活を行っていると回答した人は1割にも満たないという結果も出ています。これは、仕事との両立や知識不足などが原因と考えられます。

近年では、妊娠検査薬や排卵日検査薬など、妊活をサポートする製品も広く販売されるようになり、製薬会社による普及活動も盛んに行われています。これらの製品は、自宅で手軽に検査できるため、妊活を始める上でのハードルを下げる役割を果たしています。

妊活の進め方

妊活は、まず夫婦やパートナーとよく話し合うことから始めましょう。将来の家族計画や、妊娠に対する考え方を共有し、お互いが納得した上で進めていくことが大切です。

次に、自身の体の状態を把握しましょう。基礎体温を測ったり、婦人科検診を受けたりすることで、排卵のタイミングや妊娠しやすい時期を把握することができます。また、生活習慣を見直し、バランスの取れた食事や適度な運動を心がけることも大切です。

なかなか妊娠に至らない場合は、医療機関を受診し、専門的なアドバイスや治療を受けることを検討しましょう。不妊治療は、タイミング法、人工授精、体外受精など、様々な方法があります。医師と相談しながら、自分に合った治療法を選ぶことが大切です。

妊活で大切なこと

妊活は、夫婦やパートナーにとって、非常にデリケートな問題です。お互いを尊重し、協力し合いながら進めていくことが大切です。また、過度にストレスをためないように、リラックスする時間を持つことも大切です。妊活は、必ずしもすぐに結果が出るものではありません。焦らず、気長に取り組んでいきましょう。

まとめ

妊活は、妊娠を望むすべての人にとって、重要な活動です。正しい知識を身につけ、夫婦やパートナーと協力し合いながら、自分たちのペースで進めていきましょう。


参考文献

齊藤英和、白河桃子『妊活バイブル 晩婚・少子化時代に生きる女のライフプランニング』講談社〈講談社+α新書〉、ISBN 406272751X。

外部リンク

妊活 とは - コトバンク

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