妖星ゴラス

妖星ゴラス

特撮映画『妖星ゴラス』は、日本が誇る特撮映画の一つで、1962年に公開されました。この映画は、東宝が制作、配給を手がけ、カラーで描かれた壮大なSF作品です。本作の製作背景には、1950年代から始まった宇宙開発競争や、ソ連のボストーク1号による有人宇宙飛行の成功があり、当時の世相を反映した内容となっています。

制作の意図

本作は円谷英二が特撮監督を務め、東宝特撮映画50本目の集大成を目指して制作されました。この映画の制作には3年以上の構想と、多額の製作費が投じられています。特に注目すべきは、特撮シーンが全体の約3分の1を占めている点で、力強い特撮技術が駆使されました。従来の特撮映画では物を壊すシーンが多かった中、本作では基地建設の過程を緻密に描くことに力を入れています。

あらすじ

物語は1979年に、日本の宇宙船JX-1隼号が土星探査の任務を果たすために発射されるところから始まります。しかし、隼号が黒色矮星ゴラスを発見したことで状況が一変します。ゴラスは地球の6,000倍の質量を持つ惑星であり、進路を維持した場合、2年半後に地球に衝突する恐れがあることが判明。JX-1の艇長・園田はその探査に乗り出すものの、ゴラスの引力に飲み込まれ、最後のデータを地球に送信することとなります。

その後、NASAやソ連も似たような研究を行っていることを知った日本の専門家たちは、巨大ジェットパイプを利用して地球を移動させるという「地球移動計画」を提案します。国連での科学会議を経て、南極での巨大ジェットパイプ基地建設が始まり、労力をかけて地球を移動させるための準備が進められます。

登場キャラクター

映画には多くのキャラクターが登場し、特に重要な役割を担うのが田沢博士と河野博士です。彼らはゴラスの脅威に対抗すべく、地球を救うための計画を立案します。その他に、宇宙飛行士としての役割を果たす園田智子や、隼号のクルーたちも物語を盛り上げます。

特撮技術と映像美

本作の特撮技術は、円谷英二の最高傑作と言われています。特に、基地建設のシーンではリアルなセットとミニチュアを駆使し、迫力ある映像を作り出しました。映画の中で描かれる地球の移動や、ゴラスと地球の最接近のシーンは、視覚的にインパクトがあります。

影響とレガシー

『妖星ゴラス』は、当時の観客に大きなインパクトを与えましたが、怪獣[[映画]]としての興行成績はいま一つでした。しかし、この映画はハードSFとしての見ごたえがあり、後の作品にも多くの影響を与えています。また、2018年にはHDリマスター版が放送され、再評価される機会を得ました。

最後に

『妖星ゴラス』は、人類の未来を救うために奮闘する登場人物たちの姿を通じて、希望と勇気のメッセージを発信しています。作品が持つ深いテーマと申し分のない映像美は、今でも多くの人々に愛され続けています。

もう一度検索