妖精姫レーン

『妖精姫レーン』（ようせいひめレーン）は、1995年から1996年にかけてリリースされたオリジナルビデオアニメーション作品です。全2巻が発売されました。

概要

本作は、監督である大地丙太郎氏が、同時期に手掛けたテレビアニメーション『ナースエンジェルりりかSOS』と並行して制作されました。当初の企画では全3巻構成でしたが、様々な事情により、第2巻のリリースをもってシリーズは中断されました。第2巻に収録された、幻となった第3巻の次回予告については、後に大地監督自身が「あれは作り話だった」と語っています。

物語に登場するキャラクターたちは、常識の枠を超えた行動をとり、予測不能な展開を巻き起こします。このような個性的でエキセントリックな人物造形と、それによって生まれるドタバタ劇は、後の大地監督が手掛けるコメディ作品群におけるキャラクター描写の基礎となったと言えるでしょう。

ストーリー

物語の舞台は倉鎌市。主人公である高校生の宝田ゴウは、トレジャーハンターになることを夢見ています。ある日、彼はレーンと名乗る妖精と出会いますが、彼女とは全く言葉が通じません。それでもゴウは、レーンが発する支離滅裂な言葉の中に、伝説の秘宝「四つの神像」の隠し場所の手がかりが込められていると勝手に信じ込み、宝探しを開始します。

一方、同じ倉鎌市では、天才高校生の実業家である全集院タクマが、一大レジャーランド建設計画を進めていました。しかし、ゴウのエスカレートしていく宝探しの騒動は、タクマの計画をも巻き込み、事態は思わぬ方向へと進んでいきます。

登場人物

宝田ゴウ（たからだゴウ）
トレジャーハンターを夢見る高校生。お宝探しのためなら授業もさぼります。グライダーやエアポンプなど、様々な道具を常に持ち歩いています。自宅にはあらゆるジャンルの模型が飾られています。妖精のレーンを「妖精ちゃん」と呼びます。父親は考古学者であり、自身も幼い頃から英才教育を受けていたようです。
レーン・ツェパニコーラス
宝田ゴウの前に突然姿を現した妖精。手のひらに乗るほどの小さなサイズです。日本語らしき単語を羅列しますが、これは本人なりに意思疎通を試みているつもりらしいです。脈絡のない言葉を発することも多いです。最初は何も身につけていませんでしたが、ゴウが集めた美少女フィギュアの服を着るようになります。
夢乃館真理（ゆめのかたまり）
ゴウのクラスメイトで幼馴染にあたる、夢乃館財団のお嬢様。昔から自由奔放なゴウに振り回されることに不満を感じています。
リーン・キャミ・クーニョ
夢乃館真理の前に現れた、二人目の妖精。レーンを抹殺するために妖精の国からやって来たと本人は語っています。着ている服は水に濡れると溶けますが、「変身」のようなおまじないで再生が可能です。
宝田ゴウの姉たち
容姿はよく似ていますが、性格はそれぞれ異なる7人の姉妹が存在します。
宝田水姫（みずき）: 神社で巫女として働きつつ、用心棒も兼任しています。木製の薙刀を使い、冷めた性格をしています。ユリの髪飾りを付けています。
宝田夏姫（なつき）: 消防庁特務課に勤務する、男勝りな熱血漢。かつてはガキ大将だったようです。黄色のコスモスの髪飾りを付けています。
宝田春姫（はるき）: 夢乃館財団管制室の室長を務め、全集院タクマの地方弁を理解できる数少ない人物です。真理とは旧知の仲で、妹のように接しています。至って普通の女の子らしい性格です。桜の髪飾りを付けています。
宝田冬姫（ふゆき）: 留守番電話のメッセージで存在が確認されるのみです。
宝田一姫（かずき）、宝田由姫（ゆき）、宝田沙姫（さき）: 「NATURE'S（ネイチャーズ）」という音楽グループで活動している3人組です。
全集院タクマ（ぜんしゅういんタクマ）
声 - 堀川亮
夢乃館財団事業本部に勤める高校生。非常に強い地方訛りのある言葉を話します。夢乃館財団の大型事業「サラマンダー計画」の指揮を執り、夢乃館万蔵からは天才と評されています。常に凛とした態度を保とうと努めますが、まとまりにくい前髪に悩んでいます。夢乃館真理に好意を抱いています。
夢乃館万蔵（ゆめのかたまんぞう）
「夢乃館財団」の当主。世間からは成金と囁かれていますが、本人も自覚しており、それをあまり気にしていないようです。
課長
宝田夏姫の上司にあたる人物で、オネエ言葉を使います。
小西
夢乃館家に仕える執事。巨漢で、外見通りの怪力の持ち主です。物語のクライマックスで重要な役割を果たします。

登場メカ

機動メカ・セイジ
消防庁特務課が保有する大型機械。機体中央に搭載されたファンによりホバリングが可能です。また、マニピュレーターを展開する「サルベージモード」という機能も備えています。第2話の冒頭には、白い量産型と思われる機体が複数登場します。パイロットは宝田夏姫です。

スタッフ

監督 - 大地丙太郎
脚本 - やまざき大志
キャラクターデザイン・作画監督 - 舛舘俊秀
デザインワークス - 山崎健志
美術監督 - 原田謙一
色彩設定 - 照屋美和子
撮影監督 - 斎藤秋男
音楽 - 山本はるきち
音響監督 - 田中一也
音響プロデューサー - 飯塚康一
プロデューサー - 望月正雄、高野顕
アニメーション制作 - DANGUN PICTURES
製作 - ケイエスエス

声の出演

宝田ゴウ - 山寺宏一
レーン・ツェパニコーラス - 高橋美紀
夢乃館真理 - こおろぎさとみ
リーン・キャミ・クーニョ - 久川綾
宝田ゴウの姉ら - 岩坪理江
全集院タクマ - 堀川亮
夢乃館万蔵 - 小村哲生
課長 - 高木渉
小西 - 石井康嗣
レッドフェニックスの音声 - ショッカーO野

主題歌

エンディングテーマ

「断然!ベクトルパワー」
作詞 - 大地丙太郎 / 作曲 - TSUKASA / 編曲 - 斉藤かんじ / 歌 - AKKO

エピソードリスト

第1話：お宝コケたらみなコケた（A RECKLESSNESS TREASURE BOY）
第2話：お風呂が空をとんでいた（A BURST BIRTHDAY IN HOT SPRING）

外部リンク

バンダイチャンネル視聴ページ
妖精姫レーン - allcinema
妖精姫レーン（OVA）- Anime News Network中の百科事典

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