妖鬼妃伝

妖鬼妃伝

『妖鬼妃伝』は、美内すずえによる日本の漫画作品で、1981年9月から11月まで『なかよし』に連載されました。本作は、1982年度の講談社漫画賞少女部門を受賞し、1982年4月には単行本が刊行されました。その後も1995年に白泉社からの傑作選や、2017年には宝島社からのセレクションとして再出版されるなど、多くの読者に支持されています。

あらすじ

物語は主人公の秋本つばさが、親友のターコの失踪事件に立ち向かうところから始まります。地下鉄巴線の「角宮」駅で、ターコが消えたデパートへと向かいますが、彼女は不思議な事件に巻き込まれてしまいます。つばさは、ターコを探し出そうと友人の久美と共にデパートに忍び込み、そこで平安時代の貴族のような従業員の姿や、不可解な現象に遭遇します。

電車に乗り込むと、奇妙な走行をしながら、「宮之内」という異世界へと辿り着き、そこで数々の魔物や人形と遭遇します。さらに、霊能者の九曜久秀との出会いが、彼女をこの事件に導く鍵となります。久秀は、平安時代から続く災厄「妖鬼妃」とその一族との戦いを継承している存在で、二人は協力してこの秘密を解き明かそうとします。

登場人物

• - 秋本つばさ: 主人公の普通の少女。行動力と洞察力を持ち、友人を助けるために奮闘します。
• - 九曜久秀: つばさとターコの事件に関わる霊能者。視覚は失っているが、特異な霊能力を有する美少年。彼の使命は妖鬼妃一門との戦いを終わらせることです。
• - 倉本: 久秀の家庭教師であり忠実な側近。つばさに対しても温かく接します。
• - 妖鬼妃: 古の魔神「阿黒王」の妃で、物語の根幹を成す恐ろしい存在。彼女の能力と一族の闘いが物語の核となります。

物語は、つばさが不思議な世界で妖鬼妃一門との緊迫した戦闘を繰り広げ、彼女たちを滅ぼすために立ち上がる様子を描いています。つばさは、久秀の協力のもとで恐怖と対峙し、真実を突き止め、不思議な運命に向き合います。

この作品は、平安時代の神秘と現代の生活が交錯する中で、友情や勇気、愛が描かれ、読者に深い感動と興奮を与えています。美内すずえの独特な描写力と物語の展開は、多くの少女漫画ファンを魅了し続け、本作は日本の漫画文化においても重要な位置を占めています。

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