妖魔 (漫画)

妖魔（ようま）

『妖魔』は、著者・楠桂による日本の漫画で、1985年から1986年にかけて『りぼんオリジナル』（集英社）に連載されました。本作は、主人公の緋影と彼の親友である魔狼との壮絶な冒険を描いています。この漫画は、後にアニメ化され、OVAとして1989年に劇場公開もされました。

あらすじ

物語は、緋影と魔狼が幼少期を共に過ごし、兄弟のように育ったところから始まります。彼らは里で一番の忍者として互いに切磋琢磨しながら成長しますが、運命は彼らに試練を与えます。ある日、緋影は魔狼が投げた手裏剣によって重傷を負い、命の危機に陥ります。その手裏剣には毒が塗られており、それを機に魔狼は里から姿を消します。

緋影は、里のリーダーたちから魔狼が追放された理由を知らされ、「お前がいなければ一番の忍び」という言葉だけを受け取ります。この経緯を知ってもなお、魔狼を追い戻すべく里を抜け出し、彼の続けた旅が始まります。そんな彼の前には、数々の妖魔たちが立ちふさがり、彼を狙ってくるのです。緋影が追い求めるのは、失われた親友との絆と、妖魔に隠された真実です。

主な登場人物

• - 緋影（ひかげ）: 本作の主人公で、里を出て魔狼を探し続けます。彼は目元に魔狼の手によって負った傷があります。
• - 魔狼（まろう）: 追放された忍者で、実は別の命を持つ妖怪の生まれ変わり。物語の終盤で緋影と激闘し、彼の運命が交差します。
• - あや: 旅の途中で出会う女性で、彼女にも不幸な運命が待ち受けています。
• - 妖（あや）: 緋影の旅に加わる元くノ一で操糸術を使う達人。自ら普通の少女に戻りたいと願っています。
• - 風巳（かざみ）: 緋影と魔狼の兄貴分として彼らを支えますが、運命に翻弄されます。
• - 琴音（ことね）: 魔狼との切ない過去を持つ女性で、彼の運命に関わります。

物語はスリリングな冒険とともに、友情の深さや愛の力、裏切りや絶望といった人間の心情を深く掘り下げていきます。特に、緋影と魔狼の関係は物語の核心にあり、彼らの成長と葛藤が物語を引き立てます。

アニメ化とキャスト

『妖魔』は1989年にOVA化され、「上の巻 緋影魔境編」と「下の巻 魔狼兇牙編」として劇場公開されました。アニメでは、堀内賢雄が緋影、塩沢兼人が魔狼を演じるなど、豪華な声優陣が作品を彩ります。音楽も渡辺博也が担当し、印象的な主題歌が作品に華を添えています。

『妖魔』は、深いテーマに基づく壮大なストーリーと多彩なキャラクターたちが魅力で、ファンに愛され続けています。妖魔との戦いを通じて、主人公たちは成長し、仲間との絆や真実を見出していくのです。

もう一度検索