姫カット

姫カットとは

姫カットは、女性の髪型の一つで、その名の通り「お姫様」のような印象を与えるスタイルです。現代的なアレンジが加えられていますが、日本の伝統的な髪型にルーツを持っています。

概要

姫カットは、前髪を額に垂らして一直線に切りそろえ、サイドの髪を顎のラインで短く切りそろえるのが特徴です。この独特なシルエットが、内巻きのおかっぱのようなレトロな雰囲気と、西洋とは異なる日本的なお姫様らしさを演出します。

ロリータ・ファッションでは、縦ロールと並んで理想的な髪型とされており、ゴシックな雰囲気にもよく合います。

由来

姫カットの原型は、平安時代の女性の髪型である「尼削ぎ（あまそぎ）」にあるとされています。清少納言は、幼い子供の可愛らしい髪型として、尼削ぎの美しさを『枕草子』に記しています。

また、平安後期から室町時代には、女性の成人儀式として「鬢削ぎ（びんそぎ）」が行われていました。これは、成人した女性が垂れ髪の鬢（耳にかかる部分）を短く切り揃えるというもので、庶民の間でも流行した髪型でした。

姫カットという名前の由来は、これらの歴史的な髪型が「平安貴族の姫に似た髪形」という認識が元になっていると考えられます。また、1970年代に人気を博した少女漫画『姫子シリーズ』のキャラクター「姫子」や、当時のアイドルであった麻丘めぐみ、早乙女愛も姫カットをトレードマークにしていました。

スタイリング

姫カットは、ロングヘアのアレンジの一つとして捉えられます。自然なカールが出ないようにストレートアイロンを当て、前髪とサイドの髪を切りそろえるのが基本です。前髪はぱっつん前髪にしたり、古典的な振り分け髪にしたりと、アレンジを加えることができます。

しかし、姫カットは特徴的なシルエットを持つため、アレンジが限られてしまうという側面もあります。また、せっかく伸ばしたロングヘアを大胆にカットする必要があるため、注意が必要です。

スタイリングのポイント

サイドの髪をカットする際は、こめかみ部分からカットしたいサイドを残して後ろで束ね、顎や頬のラインでカットすると失敗しにくいでしょう。
古典的な振り分け髪にする場合は、前髪が長くなりすぎないように適宜すき切りをし、頭頂から左右に振り分けます。ヘアスプレーやヘアピンなどでまとめると、よりクラシカルな雰囲気を出すことができます。

現代風のアレンジを加える場合は、大胆なサイドカットが顔と体格のバランスに合っているか、事前にウィッグなどで確認することをおすすめします。

姫カットは、個性的な魅力を引き出す髪型ですが、スタイリングには注意が必要です。自分の顔の形や雰囲気に合わせて、最適なアレンジを見つけてみましょう。

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