姫路第一発電所

姫路第一発電所

姫路第一発電所（ひめじだいいちはつでんしょ）は、兵庫県姫路市に所在する関西電力の天然ガス火力発電所です。1955年に初号機が運転を開始し、次第に4号機までが建設されました。当初の発電方式は石炭火力でしたが、その後石油を経てLNG（液化天然ガス）に切り替わり、時代の変化に応じたエネルギー利用が進められました。

特筆すべきは、同発電所が日本初の多軸再熱型コンバインドサイクル発電方式を採用した点です。これは、発電効率を高めて環境への影響を低減する技術として注目されています。5号機と6号機にこの方式が導入され、これにより発電能力が強化されました。一方で、1号機から4号機については老朽化が進行し、2001年6月30日をもって全て廃止されました。

特に2011年3月11日に発生した福島第一原子力発電所事故は、日本全体の電力供給に大きな影響を与えました。この際、多くの原子力発電所が運転を停止し、電力の供給不足が懸念されました。そのため、姫路第一発電所でも小型電源の新設が検討されました。

発電所のシンボルともなっているのが、高さ204mの煙突です。この煙突はライトアップされ、天気予報の機能も果たしています。このため、地域住民から親しまれており、周囲を航行する船舶にとっても目印となっています。ただし、東日本大震災以降は節電のためにライトアップが停止されています。

発電設備

発電設備の総出力は150.74万kW（2013年時点）となっています。主要な設備について詳述します。

5号機

• - 発電方式: 多軸型1,300℃級改良型コンバインドサイクル発電方式
• - 定格出力: 72.9万kW
• - ガスタービン: 15.7万kW × 3軸
• - 蒸気タービン: 25.86万kW × 1軸
• - 使用燃料: LNG
• - 熱効率: 54.0%（低位発熱量基準）
• - 営業運転開始: 1995年4月

6号機

• - 発電方式: 多軸型1,300℃級改良型コンバインドサイクル発電方式
• - 定格出力: 71.3万kW
• - ガスタービン: 14.03万kW（計画時） × 3軸
• - 蒸気タービン: 24.91万kW（計画時） × 1軸
• - 使用燃料: LNG
• - 熱効率: 54.0%（低位発熱量基準）
• - 営業運転開始: 1996年5月

ガスタービン設備

• - 1号機: ガスタービン発電方式、定格出力3.27万kW、2012年8月8日運転開始
• - 2号機: ガスタービン発電方式、定格出力3.27万kW、2012年8月13日運転開始

廃止された発電設備の概要

廃止された設備の総出力は42.2万kWです。

• - 1号機: 定格出力6.6万kW、営業運転期間1955年から2001年6月30日まで、使用燃料には過去に石炭と石油も含まれる。
• - 2号機: 定格出力7.5万kW、2001年6月30日廃止。
• - 3号機: 定格出力12.5万kW、2001年6月30日廃止。
• - 4号機: 定格出力15.6万kW、2001年6月30日廃止。

姫路第一発電所は、環境への配慮と効率的な電力供給を目指し、歴史と技術の変遷を辿る重要なエネルギー施設として位置づけられています。

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