孔亮

孔亮（こう りょう）

孔亮は、中国の古典小説『水滸伝』の中に登場するキャラクターで、梁山泊の63位の好漢です。彼は「独火星」という渾名を持ち、その名は不吉な意味を持つ火星と、彼の兄弟である孔明よりも短気な性格を示唆しています。このことから、中国文学者の高島俊男は、孔亮の名前が諸葛孔明をもじったものであると指摘していますが、彼自身は智謀においてあまり優れたところは見せていません。

出自と若き日の彼

孔亮は元々青州の白虎山の麓に住む金持ちの息子で、喧嘩好きでした。彼は兄の孔明と共に、手下を引き連れて地元で暴れ回り、悪名を馳せていました。ある日、逃亡中の宋江をかくまい、彼から棒術を習うことになります。この出来事が彼の人生を変えるきっかけとなりますが、喧嘩好きの性格ゆえにトラブルにも巻き込まれます。

孔亮は、居酒屋で酔っぱらった大男と喧嘩をし、逆に大怪我を負わされてしまいました。彼は恐れをなして自分の屋敷に逃げ込み、そのことを孔明に話しました。二人はこの大男に仕返しをすることを決意します。しばらくして孔明が酔っ払って河に落ちている大男を発見し、彼を自分の屋敷に連れ帰ります。しかし、その大男が武松であることが分かると、孔亮は慌てて縄を解き、彼に謝罪し手厚くもてなしました。このような人情深い面が、彼の人物像を形作っています。

激動の運命

その後、孔亮の父が亡くなり、兄弟は強欲な土地の金持ちとトラブルを起こします。暴力行為の結果、その金持ち一家を皆殺しにしてしまったため、彼らは白虎山に立てこもります。数年後、青州に住む叔父（孔賓）が山賊の親戚として青州知事に捕らえられてしまい、孔亮は孔明とともに叔父を救うために青州城を襲います。しかし、山賊討伐のために戻った呼延灼に孔明が捕らえられてしまい、孔亮だけはなんとか白虎山に逃げ帰りました。

同盟と戦い

その後、孔亮は桃花山や二竜山と協力し、梁山泊の仲間たちと共に青州城を攻め、呼延灼を捕らえます。最終的には慕容彦を討ち取ることで青州城を陥落させ、孔明と叔父を救出しました。この後、孔亮は兄と共に梁山泊に参加。中軍を護衛する歩兵軍驍将に任命され、北京攻めや曾頭市攻め、東平府攻めなど数々の戦闘に参加します。

最期の瞬間

朝廷からの招安後も、孔亮は孔明と共に戦い続け、遼国戦や田虎、王慶討伐に参加しますが、方臘討伐のために昆山に向かう途中で船から落ちて溺死してしまいます。彼の短い生涯は、喧嘩好きな性格と忠義深い性格によって彩られ、多くの冒険と戦闘で特徴づけられています。孔亮というキャラクターは、勇気と忠誠心、そして人間味あふれる特性で、多くの読者に記憶されることでしょう。

もう一度検索