学校法人フェリス女学院

学校法人フェリス女学院

学校法人フェリス女学院は、日本の学校法人であり、その歴史は1870年にメアリー・キダーが横浜で開いた英語女塾に遡ります。

設立と初期

フェリス女学院の起源は、ジェームス・カーティス・ヘボンが設立したヘボン塾にあります。メアリー・キダーは、ヘボン塾の女子生徒を受け継ぎ、1870年6月1日にヘボン施療所内で英語女塾を開設しました。これがフェリス・セミナリーの始まりです。

1875年には横浜山手178番に校舎と寄宿舎が完成し、「フェリス・セミナリー（フェリス英和女学校）」と名付けられました。「フェリス」という名前は、メアリー・キダーを派遣したアメリカ・オランダ改革派教会外国伝道局総主事であるフェリス父子に由来します。

発展と変遷

1881年、メアリーとエドワード・ローゼイ・ミラー夫妻が伝道に専念するため、後継者としてユージーン・ブースが二代目校長に就任しました。1889年には「フェリス和英女学校」と改称し、講堂のヴァン・スカイック・ホールが完成しました。1890年代には国家主義的風潮により生徒が減少し、高等科が廃止されましたが、1899年に私立学校令により認可され、正式名称がフエリス和英女学校となりました。高等科の代わりに聖書科が設置されました。

1903年には教頭の岩佐琢蔵の尽力により、高等女学校卒業者向けに英語師範科が設置されました。これはミッションスクールでの宗教教育を禁じる文部省訓令第12号への対策であり、英語教師不足という社会状況の中で、フェリスは高等女学校以上の学校としての評価を得て、学校が再興しました。その後、専門学校課程に準ずる神学部と英文学部からなる高等科が設置されましたが、1919年には東京女子大学設立に協力する形で高等科は廃止されました。

ブースは1922年まで校長としてフェリス女学院の発展に貢献しました。1922年にはアメリカ・オランダ改革派教会の婦人宣教師J・M・M・カイパーが第三代校長に就任しましたが、1923年の関東大震災で校舎が壊滅し、カイパー校長は殉職しました。

戦後の再建と現在

カイパー校長の殉職後、明治学院のアルバート・オルトマンスが一時的に院長を兼務し、1924年にはルーマン・シェーファーが校長に就任しました。中等[[教育]]を中心に行うようになり、1927年には専門学校入学者検定規定による指定校となりました。1929年にシェーファーが辞任しました。

日中戦争中の1940年には都留仙次が校長となり、対英米戦中には英語名を避けて「横浜山手女学院」に校名を変更しましたが、戦後、フェリス女学院に戻されました。1951年には都留が口語訳聖書の翻訳に専念するために院長を辞任しました。

フェリス女学院は女子学院中学校・高等学校とともに、日本初のキリスト教主義学校女学校です。当初は男女共学でしたが、1871年9月から女子教育に専念することになりました。

教育理念

フェリス女学院は、キリスト教教育に基づき、「For others」をモットーとしています。これは新約聖書「フィリピの信徒への手紙」第2章第4節に由来するもので、「めいめい自分のことだけでなく、他人のことにも注意を払いなさい」という教えを大切にしています。

中学校（高等学校と6年間一貫教育）は、女子では難関の進学校として知られており、高校からの募集は行っていません。

参考文献

『日本キリスト教歴史大事典』教文館、1988年

外部リンク

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