学校給食法

学校給食法について

学校給食法（がっこうきゅうしょくほう）は、昭和29年6月3日に施行された法律であり、学校における給食の提供および食育の指導に関する基本的な事項を定めています。この法律は、学校給食の普及と充実を図ることで、児童や生徒の健全な食生活を支援することを目的としています。

概要

近年、食を取り巻く環境の変化に伴い、学校給食法は初めての改正を迎えました。1954年の施行当初は、学校給食が「国民の食生活の改善に寄与する」という目的を持っていましたが、2009年の改正によりこの文言は削除され、新たに「食に関する正しい理解と判断力の養成」が重要視されました。また、食育の推進も法律に新たに盛り込まれる形となりました。

主な内容

1. 国・地方公共団体の責務

学校給食法では、国および地方公共団体が学校給食の充実に責任を持つことが求められています。このため、教育機関と連携し、給食の質と栄養管理を強化することが必要です。

2. 学校給食の範囲

この法律で規定される学校給食は、義務教育諸学校、つまり小学校や中学校、義務教育学校、中等教育学校の前期課程、特別支援学校等において、児童や生徒に対して提供される給食を指します。

3. 学校給食の目標

学校給食の目標には、栄養のバランスを考慮した食事の提供や、適切な食習慣を身に付けるための環境づくりが含まれています。これにより、健康的な成長を支えることが期待されています。

4. 経費と栄養管理

学校給食にかかる経費は、設置者の責任で管理され、栄養の専門家による栄養管理が行われます。栄養管理者は、給食のメニュー作成や栄養指導を担います。これにより、食事内容の質を保証する役割が果たされています。

遇う問題点

1. 全員給食の非実施

学校給食法第4条では、義務教育諸学校の設置者は給食を実施するよう努めるべきとの規定がありますが、この義務には強制力がありません。そのため、東京都町田市や福岡県の一部地域の中学校では、全生徒への給食が提供されていないという事例があります。政令指定都市でも、横浜市など一部では給食の提供を開始した経緯があります。

2. 牛乳の必須提供

学校給食法施行規則では、給食に牛乳が必ず含まれることが求められています。これは、米飯を主食とする給食の場合でも適用され、牛乳の提供が義務付けられています。しかし、文部科学省からは、必ずしも牛乳を出さなければならない食品はないとの回答もあるなど、実際の運用には矛盾がみられます。

結論

学校給食法は、児童や生徒の食生活や食育を充実させるための重要な法律ですが、実施面ではさまざまな課題が存在します。この法律の目的を達成するためには、地域ごとの状況を踏まえた柔軟な対応が求められます。また、食育の重要性に関する理解を深め、より良い食環境を作っていく必要があります。

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