宇宙塵 (財津和夫のアルバム)

『宇宙塵』 - 財津和夫のソロデビューアルバム

『宇宙塵』は、1978年5月5日にリリースされた財津和夫の記念すべきソロデビューアルバムです。このアルバムは、彼が所属していたバンド「チューリップ」の活動と並行して制作され、財津のクリエイティブな才能が存分に発揮された作品となっています。特に、ポール・マッカートニーのアルバム『マッカートニー』に影響を受け、財津はほとんどすべての楽器に挑戦しました。ただし、10曲中7曲のドラムは上田雅利、1曲には田中一郎（ギター）、宮城伸一郎（ベース）が参加しており、彼のソロ作でありながらもバンドメンバーとの協力があったことが伺えます。

アルバムの全体的な雰囲気は、チューリップの宇宙をテーマにした音楽スタイルに通じており、後のライブパフォーマンスでもこのアルバムの楽曲が多く演奏されるなど、財津の音楽活動に大きな影響を与えました。具体的には、彼の個人における音楽的な刺激となっただけでなく、バンドとしての活動にも影響を及ぼし、財津の音楽的アイデンティティを形成したとも言えるでしょう。

このアルバムについての批評は好意的であり、CDジャーナルでは「プログレのできそこないのような『SOMETHING IN THE SKY』が微笑ましい」との評価がされています。彼が一人で楽しみながら創作活動を行ったことが伺える内容であり、精神的な喜びや楽しさが音楽からにじみ出ていると指摘されています。

収録曲

アルバムには以下の楽曲が収められています。これらの楽曲は、A面とB面に分かれており、それぞれ異なる魅力を持っています。

A面

1. SOMETHING IN THE SKY - 多重録音を活かした印象的なサビが特徴的です。
2. 根雪 -
3. 二人（ふたり）だけの夜 - 後にシングルカットされ、チューリップのライブでも多く演奏されました。
4. 土砂降りの雨 -
5. 酒の唄 - 合唱で終わり、長谷川法世の名前も登場します。中村雅俊が後にカバーしました。

B面

1. Blue Train (もしも、今でも君がひとりなら) -
2. もし、それが… -
3. 虚心未遂 -
4. 悪魔の子守唄 -
5. 光の輪 - チューリップのライブでしばしば取り上げられた楽曲で、1997年の再結成以降も演奏されています。

結論

『宇宙塵』は、財津和夫の音楽的創造性が表現された重要なアルバムであり、彼のソロ活動と同時にバンド・チューリップの音楽スタイルへの影響も含まれています。アルバム収録楽曲は、彼自身の音楽的成長を示すだけでなく、同時にチューリップのリーダーとしての財津の役割をも強調しています。このアルバムは、1978年の音楽シーンにおける一つの特徴的な作品として、今も多くの人々に愛され続けています。

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