宇宙英雄物語

宇宙英雄物語（THE FUTURE-RETRO HERO STORY）

『宇宙英雄物語』は日本の漫画作品で、著者は伊東岳彦。1988年から1992年まで角川書店の『月刊コミックコンプ』で連載されていたが、角川の分裂に伴い未完のまま中断。その後、1995年から1996年にかけて集英社の『ウルトラジャンプ』で再開され、物語は完結を迎えた。また、同人誌において番外編も発表されている。

概要

この作品は、魔法やエーテルの存在する異世界『真なる太陽系』を舞台に展開される。主人公の護堂十字は、宇宙船“星詠み号”を受け継ぎ、祖父の出身地で悪に立ち向かうことを決意する。全編にわたりコメディ要素が強く、往年のスペースオペラへのオマージュやパロディが盛り込まれている。

作品は単行本として5巻まで出版されたが、その後の6巻の予定は中止となった。再連載後、全8巻が集英社から刊行され、2003年から2004年にかけてディレクターズカット版も発売された。

メディア展開

この作品はイメージアルバムとして1989年と1991年に2枚発売され、1992年から1993年にかけて全26話のラジオドラマが放送された。しかし、OVA化の企画は頓挫し、パイロット版も制作されたものの実現には至らなかった。ラジオドラマ版はOVA化企画との関係性が深く、ストーリーの補完が期待されていた。

登場人物

作品には魅力的なキャラクターが多数登場する。主人公の護堂十字は、16歳の少年でトラブルメーカー体質ながら困難を悪運で乗り越えていく。ヒロインの椎原咲美は格闘技の達人で、彼女の行動はしばしば周囲を巻き込む。
また、十字の祖父であるロジャー・アドレアン・グリフィスは、過去の英雄であり、呪いを受けたキャラクター。
他にも、自称「正義の味方」であるアゼルや、10体の戦闘衛星を持つ副操縦士のゴートなど、ユニークなキャラクターたちが物語を盛り上げる。

世界観設定

物語の舞台となる「真なる太陽系」は、魔法やエーテルが存在する異世界で、計り知れない冒険や試練が待ち受けている。その一方で、現実世界の科学を超えた技術が存在し、また独自の文化も発展している。

漫画の構成と影響

作品は伊東岳彦の初連載作であり、彼の作風が色濃く反映されている。読者に提供されるのは単なる物語ではなく、パロディや他作品へのオマージュが織り交ぜられた複雑な世界観であり、それが一層の楽しみを生んでいる。

総括

『宇宙英雄物語』は、ファンタジーとSFが融合し、キャラクターたちの成長と冒険が描かれた作品である。ユーモアとエンターテイメント性が強く、時代を超えた魅力を持つこの作品は、今なお多くのファンに愛され続けている。

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