宇宙黒騎士

『宇宙黒騎士』について

『宇宙黒騎士』（うちゅうくろきし、英：space black knight）は、1979年後半から1990年代にかけて韓国で流通した海賊版アニメであり、日本の名作『機動戦士ガンダム』をベースにしています。この作品は、韓国における日本の大衆文化の流入が禁止されていた時期に制作され、後に『ブラックトリオ』という新たなタイトルで再公開されました。また、北米では「Johnny Destiny Space Ninja」という名称で知られ、South California Motion Picture CouncilからGolden Halo賞を受賞したこともあります。

作品の特色

『宇宙黒騎士』の最も顕著な特色は、オリジナルの『機動戦士ガンダム』からの無断コピーであることです。登場キャラクターはもちろん、作品全体の構図や背景が多くの点で類似しており、主題歌のメロディーに至っては韓国版『海のトリトン』のものと同じでした。この作品は、ガンダムの劇場版が1981年に公開される以前に制作され、テレビ放送のみが行われていた時期に劇場公開されました。

この作品が公開された背景には、当時韓国で下請けとして『ガンダム』のアニメ制作に関わっていた会社の存在があり、設定や要素が盗用されたとされています。実際、1980年代初頭はそのような状況が頻繁に見られ、特に韓国においては日本のアニメの影響が強かったため、海賊版が多く製作されることが珍しくありませんでした。しかし、当初の『宇宙黒騎士』は韓国国内でもそれほどの知名度を得ず、広く認識されるようになったのは1990年代に『機動戦士ガンダム』が正式に韓国に導入されてからのことです。

登場人物

『宇宙黒騎士』には多くのキャラクターが登場しますが、正式な日本語版は存在しないため、登場人物たちの公式名は不明です。

• - 宇宙黒騎士

主人公であり、その外見は黒いシャア・アズナブルに似ていますが、マスクを外すとアムロ・レイの面影が見えます。

• - 黒騎士の相棒

覆面をしている姿はキシリア・ザビに似ていますが、マスクを外すとセイラ・マスの貌を持っています。

• - 老人

黒騎士たちを支える研究者と思われるキャラクターで、顔が無敵超人ザンボット3の神北兵左ェ門に酷似しています。

• - 少年

黒騎士の仲間と思われる小さな少年で、彼の顔は無敵超人ザンボット3の神江和行に似ています。

• - 巨人

敵キャラクターで、姿はドズル・ザビですが、顔の色がハルクのように緑です。黒騎士の相棒の宇宙船に体当たりされて死亡しました。

• - 女王

おそらくオリジナルキャラクターで、黒騎士との戦闘後にマグマに落ちて死亡します。

結論

『宇宙黒騎士』は、その無断剽窃の背景を持つものの、韓国のアニメ史において一つの重要な作品として位置付けられています。日本の文化が抑圧されていた時代の中で、創造性と模倣の間で揺れ動く韓国のアニメ制作の一端を知ることができる貴重な事例と言えるでしょう。この作品が持つ特徴やキャラクターは、今日のアニメーションにおいても影響を与え続けているのです。

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