宇能鴻一郎の濡れて打つ

宇能鴻一郎の濡れて打つ

『宇能鴻一郎の濡れて打つ』は、1984年2月に公開された日活ロマンポルノで、監督は金子修介が務める初の作品です。この映画は、人気官能作家である宇能鴻一郎の小説を原作とし、特に『エースをねらえ!』へのパロディ要素を含むユニークな作品に仕上がっています。上映時間は55分で、主演にはその年の日活の期待の星であるアイドル女優山本奈津子が選ばれています。脚本は、1983年の「エンネの日記」を手掛けた木村智美が担当しました。

あらすじ

物語の舞台は高校のテニス部。主人公のひろみは、テニスに情熱を注ぐ高校1年生の女の子です。ひろみは、大好きな先輩お蝶さまから恋愛の禁物について注意されつつも、男子部員の坂西との関係を築いています。この禁断の恋は、ある日、エレベーターの中で出会った見知らぬ男によって思わぬ形で揺らぎます。その男性は新任のコーチ、北條でした。彼はひろみの強い身体能力を認め、セックスを通じて彼女の才能を引き出そうとします。

北條は、ユニークなトレーニング方法として、セックスを絡めた指導を行い、ひろみを選手として育成しようと施策していきます。しかし、そんな関係はお蝶さまに知られてしまい、彼女は怒りを抱くことになります。やがて二人はテニスの試合を通して自らの力を試すことになるのですが、これが思わぬドラマを生むことになります。

密かにひろみに恋心を抱く新聞部員の玉木は、非常に目を引く存在であり、彼の存在感も物語に深みを与えています。ひろみは、北條とのセックストレーニングで鍛え上げた足腰を活かし、お蝶さまとの試合で善戦します。その試合では、ひろみは見事にお蝶さまの股間を攻めることに成功し、試合を勝利に導きます。

ひろみは試合を通じて自らの成長を証明し、彼女は玉木や北條との関係をを深めることに至るのです。

出演者

主なキャストには、細川ひろみ役の山本奈津子、松波美沙役の林亜里沙、北條コーチ役の沢田情児などが挙げられます。彼らの魅力的な演技が、物語をさらに際立たせています。

スタッフ情報

この映画の制作には多くの才能が関与しており、撮影を杉本一海、編集を佐藤富士男が担当しています。また、企画が小松裕司、プロデューサーは栗林茂が名を連ねています。特に美術と録音面では、斉藤岩男と中山義広が重要な役割を果たしました。

ロケ地

映画のロケ地には初台の旧東京工業試験所が使用されており、現在は新国立劇場として知られています。このロケ地設定が、高校生活の雰囲気を一層引き立てています。

この作品は、伝統的なロマンポルノの枠を超えた新しい視点を持つ作品であり、官能的な要素と青春の葛藤が見事に組み合わさる展開が観る者を魅了します。

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