宇野ヘディング事件

宇野ヘディング事件の詳細

宇野ヘディング事件（うのヘディングじけん）は、1981年8月26日に後楽園球場で行われた読売ジャイアンツ対中日ドラゴンズの試合中に発生した、特に注目を集める出来事です。この試合では、中日チームの宇野勝選手が致命的なエラーを犯し、その結果、巨人の重要な記録が達成されるに至りました。

この日の試合の背景

1980年8月4日から続く巨人の連続試合得点記録は158試合に達しており、この日が159試合目の挑戦でした。中日の先発投手、星野仙一はこの記録を阻止するべく気力を振り絞り、試合に臨み、見事なピッチングで巨人打線を抑え込みます。6回まで巨人は僅か2安打で無得点という窮地に立たされていました。

事件の発端

7回裏、一死の場面、巨人は代打・柳田俊郎を起用します。柳田の打球は一塁線へ向かうと、中日の谷沢健一がそれをトンネルし、柳田は二塁まで進みました。続く打席の山本功児の打球はポップフライとなり、遊撃手の宇野が捕球のため後退。しかし、その瞬間、予期せぬハプニングが発生します。宇野はボールを捕ることに失敗し、ボールが彼の頭に直撃したのです。サッカーのヘディングでボールが弾かれるかのように、大きな弧を描いて跳ね返り、左翼フェンス際へと転がりました。

この不運なプレーにより、走者の柳田は帰塁し、見事に得点。記録として、巨人は連続得点試合を159試合に更新しました。場外の観客はこの想定外の出来事に大爆笑し、試合の様相は一変しました。

試合の結果とその影響

試合は結局、中日が2-1で勝利し、星野は完投ながらも無念の1失点を喫しました。試合後、星野は宇野に対して怒りをあらわにし、異常に高揚したシーンが印象に残ります。その後、宇野はメディアに取り上げられ、一夜にして有名人となりました。

この事件は当初、失敗として報じられましたが、後に『プロ野球珍プレー・好プレー大賞』が設立され、逆に宇野の名は伝説として語り継がれることに。宇野自身も後に自伝を出版し、この事件に関して言及しています。

事件の後日談

この件に関して宇野は、「事件」という表現に困惑しつつも、当時の状況について振り返りました。その後、アルバイトとして参加したテレビ番組での活躍も影響し、彼はプレーヤーとしてだけでなく、メディアでも取り上げられる機会が増えました。

宇野の引退後も、彼のプレーは多くの場で取り上げられ、後楽園での出来事として記憶され続けています。ちなみに、宇野はこの出来事を語る中で、実際にはスパイクのトラブルも影響していたと説明しています。

最後に

巨人がその後、同年9月21日に中日と対戦し、遂に完封負けを喫するまでの道筋は、宇野のヘディング事件から始まったとも言えるでしょう。この事件は、プロ野球史において特異な位置を占める珍事として、多くのファンに語り継がれています。

もう一度検索