守屋寿

守屋 寿（もりや ひさし）

守屋寿は1941年に広島県福山市で生まれた古地図収集家であり、著名な実業家でもあります。彼は広島大学附属福山中学校および高等学校を卒業後、一橋大学に進学し、1964年に同大学を卒業しました。その後、さらなる学びを求めてハーバード大学のビジネススクールに入学し、1972年にMBAを取得しました。この高い教育背景をベースにして、守屋は日本の金融業界でのキャリアを築いていきます。

彼は1991年から2002年までの間、メリルリンチの日本証券会長を務め、その後は相談役として活動しました。任期中、彼は多くの金融市場の変革に関与し、証券業界の発展に大きな寄与を果たしました。また、大蔵省証券取引審議会の市場整備部会委員としても活動し、金融政策の策定に影響を与える立場にもありました。

守屋は実業家としての成功を収めるだけでなく、古地図収集への情熱も持ち続けました。彼は特に2014年から知名度を上げ、広島県立歴史博物館に1,226点に及ぶ「守屋寿コレクション」を寄託することになりました。このコレクションには、江戸時代の地図や古代の文書など貴重な資料が含まれています。2014年には、コレクションの中から「享保日本図」の測量原図が発見され、その価値が認められました。

さらに、2016年にはコレクションの拡充が行われ、日本初の世界地図である「万国総図」や「世界人物図」などが新たに発見され、博物館での展示に寄与しました。守屋は2020年には自身の収集活動に一区切りをつけ、全ての古地図を博物館に移転しました。これにより、彼のコレクションは質・量ともに国内最大の古地図コレクションとして知られることとなりました。

守屋の著作にも目を向けると、金融や証券市場に関する研究や翻訳が行われています。1971年に発表したラリー・E.グライナーの翻訳書『組織変更のパターン』や、1996年の「証券市場の変遷とメリルリンチ」など、彼の考えや知識は書籍を通じても広くシェアされています。他にも、金融財政事情における論文や資本市場研究会での寄稿などがあり、彼の専門性が伺えます。

人物としての守屋寿は、優れたビジネスリーダーであるだけでなく、地域文化や歴史に対する深い理解と愛情を持ち、古地図を通じてそのリレーションシップを築いてきたと言えるでしょう。彼の活動は今後も多くの人々に影響を与えることが期待されています。

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