守屋磨瑳夫

守屋磨瑳夫（もりや まさお）は、1889年（明治22年）3月15日に生まれ、1964年（昭和39年）1月に没した、日本の内務・警察官僚です。民政党系の官選県知事としてもその名を知られています。熊本県出身で、守屋充次郎の長男として生を受けました。

第五高等学校を卒業後、1913年11月には文官高等試験行政科試験に合格。翌1914年には東京帝国大学法科大学法律学科（独法）を卒業し、内務省に入省しました。当初は静岡県警部としてキャリアをスタートさせ、その後、静岡県理事官、兵庫県理事官・工場監督官、大阪府警視、警視庁警視、福島県書記官・警察部長、社会局書記官・社会局保険部大阪出張所長など、多岐にわたる役職を歴任しました。

1929年7月5日、守屋は沖縄県知事に就任します。在任中は、県経済の振興に力を尽くしました。当時の県政界は政友会系が多数を占めていましたが、守屋は民政派の勢力拡大に努めました。しかし、県民を軽視するような姿勢が、民政党県支部との対立を招き、知事排撃運動に発展してしまいます。この結果、1930年8月26日には青森県知事へと転任することになりました。青森県知事時代には、凶作からの復興対策に尽力しましたが、1931年12月18日には知事を休職し、1932年1月29日に依願免本官となり、官界を退きました。

退官後は、海軍協会常務理事、神戸市助役などを務めました。守屋の経歴は、内務官僚としての幅広い経験と、県知事としての地方行政への関与、そして戦後の社会活動への参加という、多面的な側面を示しています。

守屋の人物像を考察する上で、以下の点が重要となります。

内務官僚としてのキャリア: 内務省入省から始まり、複数の県での要職を歴任したことは、彼の行政手腕と官僚としての能力の高さを物語っています。
沖縄県知事としての功績と課題: 沖縄県知事時代には、県経済の振興に尽力した一方で、県民を軽視する姿勢が批判を招き、知事排撃運動に繋がったという点は、彼の政治手腕における課題を示唆しています。
青森県知事としての復興への貢献: 青森県知事時代には、凶作からの復興対策に尽力したことは、彼の地方行政への真摯な姿勢を示しています。
退官後の活動: 海軍協会や神戸市での活動は、官界を退いた後も社会に貢献しようとした彼の意欲を示しています。

守屋磨瑳夫は、内務官僚、県知事として、激動の時代を生きた人物であり、その功績と課題は、今日の行政や政治を考える上で、重要な示唆を与えてくれます。

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