守山村 (富山県)

守山村（もりやまむら）

旧富山県射水郡に存在した守山村は、現在の高岡市守山地区を中心とする一帯にあたります。この地域は、北東部に広がる二上丘陵の麓に位置し、歴史的な遺構である守山城跡が残されています。また、現代においては西部を走る能越自動車道に高岡北インターチェンジが設置され、交通の要衝ともなっています。

村のなりたちと歴史

守山村は、明治22年（1889年）4月1日に施行された町村制に基づき誕生しました。これは、射水郡内にあった守山町、須田村、五十里村、西海老坂村、そして東海老坂村という五つの区域が合併して成立したものです。村としての歴史は、昭和17年（1942年）4月1日に高岡市に編入されるまでの約53年間に及びました。

往時の村の様子

村が消滅する少し前の昭和15年（1940年）時点での記録によると、守山村には380戸の世帯があり、3,111人が暮らしていました。当時の主要な産業は農業で、米をはじめ、サツマイモ、ジャガイモ、ダイコンなどが栽培されていました。特に昭和初期にかけては養蚕業が非常に盛んで、射水郡内においては繭の生産量、桑の収穫量ともに最も多い地域として知られるほどの活況を呈していました。

特筆すべき出来事：昭和の大火

守山村の歴史において、特に大きな被害をもたらした出来事として、昭和7年（1932年）5月26日に発生した大規模な火災が挙げられます。この火災は、午後に子供の火遊びが原因で民家から出火したものでしたが、フェーン現象の影響を受けた強い風にあおられ、瞬く間に延焼しました。火の手は隣接する二上村にも飛び火し、広範囲にわたって被害を及ぼしました。最終的に、約180ヘクタールもの山林が焼失したほか、合計で130戸の住宅が全焼するという甚大な被害となりました。このうち、守山村内での焼失戸数は40戸に上り、多くの住民が生活の基盤を失いました。

現在の守山地区

守山村が合併により消滅した後、その村域は現在の高岡市守山地区の一部となりました。かつての村の範囲には、現在、富山県立高岡支援学校が設置されているほか、かつて富山県立二上工業高等学校があった場所の跡地を利用して、富山県立高岡高等支援学校が設けられています。二上丘陵に位置する守山城跡は、今も地域の歴史を伝える場所として残されています。交通網としては、能越自動車道の高岡北インターチェンジが地域の玄関口の一つとなっています。

このように、守山村は短い期間ではありましたが、農業や養蚕業で栄え、また大規模な火災という困難も経験しながら、現在の高岡市守山地区へと姿を変えていきました。

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