安恵照剛

安恵照剛八段：努力と指導で彩られた将棋人生

安恵照剛八段（やすえ てるたか）は、1941年3月22日生まれの東京都世田谷区出身の将棋棋士です。高柳敏夫名誉九段を師として、107番目の棋士番号を与えられました。

安恵八段の棋士人生は、並々ならぬ努力の物語と言えるでしょう。奨励会の旧三段リーグ（奨励会A組）時代は、脱退まで実に17期（8年半）もの歳月を費やしました。30歳という年齢でようやくプロ棋士（四段）の資格を得たのです。この間、名前を邦男から照剛へと改名しています。長年の努力の末に掴んだプロ棋士の称号は、彼の粘り強さと強い意志の表れと言えるでしょう。

プロ入り後も、安恵八段は地道な努力を続けました。1981年には第20期十段リーグに在籍しましたが、1期で陥落。竜王戦2組には8期連続で在籍するなど、常に上位を目指して精進を続けました。

彼の将棋人生において特筆すべきは、後進の育成に対する尽力です。安恵八段は、子供たちへの将棋指導に定評があり、小学生時代に指導を受けた林葉直子や加藤桃子といった棋士が、後に女流棋士として活躍するなど、多くの才能を世に送り出しました。師事した棋士は7名、女流棋士は2名に上ります。指導者としての彼の貢献は計り知れません。

競技者としての成績も輝かしいものがあります。通算成績は352勝508敗。第14回古豪新鋭戦では優勝を飾るなど、数々のタイトルを獲得しています。また、1995年には現役勤続25年を迎え、長年の功績を称えられました。

安恵八段は棋士としての活動に加え、著書も多く出版しています。代表的な著作には『将棋問題集』（1985年）や『将棋のひみつ』（2003年）などがあります。これらは、多くの人々に将棋の魅力を伝える上で貢献していると言えるでしょう。

2001年3月31日に引退。2006年4月1日には、引退棋士規定により八段の称号を授与されました。引退後も、将棋界への貢献は継続しています。

安恵照剛八段の将棋人生は、並々ならぬ努力と、後進育成への熱い情熱で彩られた、まさに波乱万丈の物語と言えるでしょう。彼の功績は、これからも将棋界の歴史に刻まれ続けることでしょう。

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