安房地域医療センター

安房地域医療センター

安房地域医療センター（あわちいきいりょうセンター）は、千葉県館山市を拠点とする主要な医療機関であり、地域における中核病院としての役割を担っています。2010年1月20日時点では149床を有しており、千葉県の災害拠点病院、および安房地域における二次救急医療を担う病院に指定されています。

沿革

当センターの歴史は、1964年（昭和39年）に千葉県館山市湊の平久里川畔に設立された「安房医師会病院」に始まります。その後、医療機能の拡充を目指し、2000年（平成12年）5月20日には、館山市山本に新たな病棟が完成し、移転しました。

病院経営においては、赤字や医師不足といった厳しい状況に直面し、経営継続が困難となりました。このため、新たな経営主体への移行が検討され、公募が行われました。応募があったのは医療法人鉄蕉会（亀田総合病院グループ）のみであり、その運営実績や財務状況が評価された結果、同グループへの経営継承が決定されました。2008年（平成20年）3月19日には、経営継承に関する合意書が締結されています。

そして、2008年（平成20年）4月には、社会福祉法人太陽会が病院の経営を引き継ぎ、現在の名称である「安房地域医療センター」に改称されました。この時点で、一般病床は149床となっていました。

地域医療のニーズに応えるため、施設面の整備も進められました。特に救急医療体制の強化を図るため、病院敷地の南側駐車場に隣接する形で新たな救急棟が建設され、2012年（平成24年）4月に完成しました。この救急棟は、1階に救急医療に特化したエリアとして集中治療室（ICU）5床を備え、高度な救急対応能力を有しています。また、2階には透析室、医局、医師当直室などが配置され、3階には外来リハビリテーション施設が設けられています。

また、医療の質の向上と安全管理にも積極的に取り組み、2011年（平成23年）4月にはISO 9001:2008の認証を取得しました。さらに、2012年（平成24年）12月には、病院機能評価機構による機能種別版評価項目3rdG:Ver.1.0の一般病院2として認定を受けるなど、第三者機関による評価を通じて医療提供体制の信頼性を高めています。

地域住民への支援として、2012年（平成24年）11月19日からは無料低額診療事業を開始し、経済的な理由で医療を受けることが困難な方々への支援を行っています。

診療科

安房地域医療センターは、幅広い診療科を標榜しており、地域の多様な医療ニーズに対応しています。2012年4月には、リハビリテーション科が追加され、全19科となりました。主な診療科は以下の通りです。

内科系
総合診療科
呼吸器内科
消化器内科
循環器内科
リウマチ・膠原病・アレルギー内科
小児科
腎臓内科
腫瘍内科
脳神経内科
糖尿病甲状腺内分泌内科

外科系
外科
整形外科
スポーツ整形外科
泌尿器科
乳腺外科
皮膚科
形成外科

その他
麻酔科
* 救急科

交通アクセス

公共交通機関を利用する場合、JR内房線館山駅東口から日東交通の鴨川方面行きバスに乗車し、「安房地域医療センター前」で下車するのが便利です。また、自動車の場合は、国道128号沿いに位置しており、アクセスしやすい場所にあります。

関連情報

当センターは、経営継承の経緯から、医療法人鉄蕉会が運営する亀田総合病院と提携関係にあります。また、経営主体である社会福祉法人太陽会、関連施設である安房医療福祉専門学校も地域の医療・福祉に貢献しています。

これらの取り組みを通じて、安房地域医療センターは地域住民の健康維持と向上に貢献し続けています。

もう一度検索