安藤士

安藤士（あんどう たけし）について

安藤士（1923年 - 2019年）は、著名な日本の彫刻家であり、多数の記念碑や像を手掛けた。彼の最も有名な作品である2代目「忠犬ハチ公像」は、東京・渋谷に現存しており、その温かいストーリーと共に多くの人々に愛されている。安藤士は、その父・安藤照も彫刻家であり、芸術の道を歩むべく育てられた。

幼少期と教育

安藤士は1923年、大正12年に東京・渋谷で生まれた。父の影響を受けながら育ち、東京美術学校（現在の東京藝術大学）を卒業。当時の美術教育を受け、彫刻の技術を磨いていった。しかし、1945年にはアメリカ軍による東京大空襲で父が命を落とし、その後の人生には様々な試練が待ち受けていた。

ハチ公像との関わり

安藤士が彫刻家として名を馳せるきっかけとなったのは、忠犬ハチ公の像の製作である。1947年、日本犬保存会の初代会長である斎藤弘吉から「ハチ公銅像を再建したいので、原型を作ってほしい」と依頼を受ける。これに応じた安藤は、試作品として石膏像を制作した。この像は山形県鶴岡市の藤島庁舎に展示されており、現在も見ることができる。

1948年には、渋谷駅前に2代目の「忠犬ハチ公像」が完成し、それ以来多くの観光客や地元の人々に親しまれ続けている。この像は、日本の忠誠の象徴として、特別な位置づけを持つ。

事業と後の活動

安藤士は、1958年に（有）現代工房を設立し、その代表取締役に就任。以降も多くの彫刻作品を手掛け、多様なテーマを追求していく。特に1959年には「南極カラフト犬記念群像」を東京タワー近くに設置し、後に立川市の国立極地研究所に移転した。

2005年、自由美術協会展での作品「ダンサー」は、「平和賞」を受賞し、彼の才覚が再び評価された。2006年、鶴岡市で開催されたハチ公像保存会の発会式では、29年ぶりに忠犬ハチ公石膏像との再会を果たした。

晩年と死

安藤士は、ステージでの活動も続け、俳優リチャード・ギアが関与した映画『HACHI 約束の犬|HACHI_約束の犬』公開記念セレモニーに参加したり、公共の場での多くのイベントに顔を出していた。彼の作品と影響は、世代を越えて語り継がれている。2019年1月13日、彼は95歳で肺炎により死去した。彼の作品は今も尚、多くの人々に愛され続けている。

作品一覧

• - 2代目「忠犬ハチ公像」（渋谷駅前）
• - 2代目「忠犬ハチ公石膏像」（山形県鶴岡市藤島庁舎）
• - 「希望の少年像」（浦和市立岸中学校）
• - 「平田靱負翁像」（鹿児島県鹿児島市平之町平田公園）
• - 「ダンサー」

安藤士は、日本の彫刻界においてその名を刻む偉大な存在であり、彼の残した作品は今後も多くの人々に感動を与え続けるだろう。

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