安西美穂子

安西美穂子（あんざい みほこ）

日本のエッセイストであり、かつて競走馬の馬主としても活動した人物（1957年 - ）。本名は野田口美穂子。東京都の出身で、成蹊大学文学部の英文科を卒業している。

大学卒業後、約5年間の会社員生活を送った後、コピーライターへと職を変える。このコピーライター時代に手がけた仕事の一つに、競馬界で絶大な人気を誇ったオグリキャップの関連企画があった。具体的には「オグリキャップの歌」の作詞やプロデュースに関わったことが、彼女が競馬の世界に深く関わるきっかけとなった。

競馬界に活動の場を移してからは、競馬専門の雑誌や新聞などに多数のコラムを寄稿するようになった。その文章は多くの競馬ファンに読まれ、人気を集めた。また、ファンクラブ「おうちへ帰ろうCLUB」を主宰するなど、ファンとの交流も積極的に行った。自身について「前世はチンギス・カンではなかったかと思うほど、馬の気持ちを自分のことのように感じられる」と語るなど、馬に対する並々ならぬ共感や愛情を示す発言でも知られている。

馬主としては、特にアイドルホースとして知られた競走馬ハルウララの所有者であった時期があることで広くその名が知られている。ハルウララは残念ながら一度も勝利を挙げることなく競走馬を引退したが、その後もその個性的なキャラクターから人気を保ち続けた。安西氏はハルウララを引退させた後、ホースセラピー施設の設立を目指す計画の一環として、2006年に同馬を千葉県勝浦市の牧場に預託した。しかし、その後のハルウララの状況は不安定なものとなった。2009年には北海道へと移動し、日高地方の牧場を転々とすることになり、一時は長期間にわたってその消息が明らかにならない状態に陥った。

2013年12月からは再び千葉県内のマーサファームに預託されることになったものの、その後の預託料の支払いが滞るようになり、最終的に2014年2月をもってハルウララの所有権を手放すこととなった。

ハルウララの他にも、名牝として知られるヒシアマゾンの産駒であるヒシアンデスを、競走馬引退後に譲り受けて所有していた時期もあった。しかし、このヒシアンデスの現在の所有権についても、その状況は不明となっている。

安西美穂子氏が発表した主な連載コラムや書籍は以下の通りである。

主な連載:
「厩舎（おうち）へ帰ろう」（週刊Gallop、連載終了）
「あの馬によろしく」（馬三郎）

主な著書:
『厩舎へ帰ろう』（第1巻 - 第7巻）
『ヒシアマゾン 癒しのささやき』（講談社）
『サイレンススズカ物語―地上で見た夢』（イーストプレス）
『馬（きみ）たちのラブストーリー』（アールズ出版）
『神さまのパステル―馬(きみ)たちのラブストーリー(2)』（アールズ出版）
『愛しのサラブレッド－馬が人と話すとき』（ベストセラーズ）
『愛しのサラブレッド(2)－誰のために…』（アリアドネ企画）
『どこへ行くの―あるサラブレッドの物語』（エムエイオフィス）
『馬のためにできること』 - 田中勝春との共著。
『MACHAR―馬のためにできること(2)』 - 田中勝春との共著。
* 『善臣の仕事』 - 柴田善臣著。編集を担当。

彼女の活動は、競馬という世界における馬と人との関係性、そして馬への深い愛情を描き出すものであり、多くのファンに支持された。特にハルウララに関する動向は、その顛末を含め、多くの関心を集めることとなった。

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