安部三十郎

安部三十郎について

安部三十郎（あべ さんじゅうろう）は、1953年9月21日に生まれた日本の政治家であり、行政書士としても知られています。彼は元山形県米沢市長として、3期にわたって市政に尽力してきました。経歴を見ていくと、山形県東置賜郡上郷村の出身で、1955年に村が米沢市に編入されました。教育背景としては、米沢市立上郷小学校から始まり、米沢市立上郷中学校、そして山形県立米沢興譲館高等学校を経て、早稲田大学法学部を卒業しました。その後、福島大学大学院地域政策専攻で学びました。

一般企業での勤務を経て、安部は市長選に立候補することを決意しました。在任中の自治体職員や市議会議員の経験はありませんでしたが、地域の保守的な住民の支持を得て、草の根運動を通じて知名度を高めていきました。街頭演説や全戸訪問といった地道な活動を続けた結果、2003年に第33代米沢市長として初当選を果たしました。市長選において、安部は米沢市では初めて市政にマニフェストを持ち込むという画期的な試みを行ったことで注目されました。

安部は「ローカル・マニフェスト推進首長連盟」設立時からの会員であり、当時の山形県の首長の中でも異例の存在となっています。2007年の市長選挙においては、他の候補者もマニフェストを掲げ、彼の影響力を証明しています。また、歴史や文学に関心が強く、米沢藩の基礎を築いた上杉氏の家老・直江兼続の大河ドラマ化を推進する活動に尽力したことでも知られています。2006年にはNHKに陳情に赴くなどし、2009年に放送された大河ドラマ『天地人』では、直江が主人公に選ばれました。

米沢市長選挙の経過

安部の市長選への挑戦は、1980年代から始まりました。1995年の初選挙では、現職の高橋幸翁との一騎討ちとなり、泡沫候補と言われながらも、17,185票を獲得し、高橋の23,017票に対し6,000票近くの迫る結果を残しました。4年後の1999年の再挑戦でも、支持を広げることができたものの、結果は24,179票に対して20,383票でまたも落選しました。安部は政党の推薦を全く得られないまま、草の根運動に全力を注ぎました。実際には、彼の活動が徐々に実を結び、3度目の挑戦である2003年にようやく当選を果たしました。

その後の選挙でも安部は地道な運動を続け、2007年に再選、2011年には三選を達成します。2015年の選挙では元自由民主党県議に敗れ、18,837票を獲得するにとどまりましたが、彼の果たした役割や影響は今なお地域の人々に記憶されています。安部三十郎の市政に対する姿勢や地域貢献は、今後の政治家にも語り継がれることでしょう。

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