宋鐘國

宋鐘國：ワールドカップの英雄から山村生活へ

宋鐘國（ソン・ジョングク）は、韓国サッカー史に名を刻んだ元サッカー選手である。1979年2月20日生まれ。ミッドフィールダー、ディフェンダーとしてマルチな才能を発揮し、韓国代表として数々の国際大会を経験した。

彼のキャリアは、2002年日韓ワールドカップでの活躍が大きな転換点となった。当時、フース・ヒディンク監督に抜擢され、右ウイングバックとして韓国代表のベスト4進出に貢献。その活躍ぶりから「ヒディンクの息子」と呼ばれるほどに。この活躍は、オランダの名門クラブ、フェイエノールトへの移籍へと繋がった。

しかし、フェイエノールトでの生活は容易ではなかった。オランダ語が全く話せないまま移籍した宋鐘國は、当時の監督ルート・フリットからオランダ語学習を厳しく求められたというエピソードも残る。結局、オランダ語を習得することなくチームを離れることになり、これがチームからの放出につながったともいわれている。

フェイエノールト退団後も、水原三星ブルーウィングス、アル・シャバブ・リヤド、蔚山現代FC、天津康師傅など、韓国や海外の複数のクラブを渡り歩き、2011年3月27日に現役を引退した。引退の理由としては、母親の死去によるモチベーションの低下を挙げている。

華々しい選手生活とは対照的に、宋鐘國の私生活は波乱に満ちている。2006年に女優のパク・ヨンスと結婚するも、2015年に離婚。現在は、江原道洪川郡の山村で自給自足の生活を送っていることを、MBNの教養番組で公表した。

引退後は、サッカー解説者、タレント、少年サッカークラブ代表など、幅広い分野で活躍。ピッチを離れてもなお、その存在感を示し続けている。

彼のキャリアを彩る数々のタイトルと受賞歴も注目に値する。Kリーグ新人王、Kリーグベストイレブンを受賞した他、クラブチームでは水原三星ブルーウィングスでのKリーグ優勝、天津康師傅での中国FAカップ優勝を経験している。また、韓国代表としては、FIFAワールドユース選手権、シドニーオリンピック、FIFAコンフェデレーションズカップ、CONCACAFゴールドカップ、そして2度のFIFAワールドカップ（2002年、2006年）、アジアカップなど数々の国際大会に出場した。

宋鐘國の半生は、成功と挫折、栄光と苦悩、そして新たな挑戦の物語である。ワールドカップの英雄から山村生活を送る現在の姿まで、その人生は多くの人の心を揺さぶるだろう。彼の歩みは、サッカー選手としてだけでなく、一人の人間としての生き様を私たちに示している。

所属クラブ
延世大学
釜山アイコンス (2001-2002)
フェイエノールト (2002-2005)
水原三星ブルーウィングス (2005-2010)
アル・シャバブ・リヤド (2010)
蔚山現代FC (2011)
天津康師傅 (2011)

受賞歴
Kリーグ新人王 (2001年)
Kリーグベストイレブン (2001年)

代表歴
韓国代表 (2000年-)
1999年 FIFAワールドユース選手権
2000年 シドニーオリンピック
2001年 FIFAコンフェデレーションズカップ
2002年 CONCACAFゴールドカップ
2002年 FIFAワールドカップ
2006年 FIFAワールドカップ
* 2007年 アジアカップ

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