完全感覚Dreamer

ONE OK ROCKの代表曲「完全感覚Dreamer」：バンドの転換期を象徴する一曲

2010年2月3日、日本のロックシーンに新たな金字塔が打ち立てられました。ONE OK ROCKの4枚目のシングル「完全感覚Dreamer」のリリースです。この曲は、バンドにとって大きな意味を持つ作品であり、その後の彼らのキャリアを決定づける重要な転換点となりました。

前作「エトセトラ」から約2年半ぶりのリリースということもあり、ファンの期待は高まっていました。特に、ギター担当のAlexの脱退後初のシングルということもあり、バンドの新たな方向性が注目されていました。そして、この期待を裏切らない、力強くも繊細な楽曲が「完全感覚Dreamer」だったのです。

そのミュージックビデオは、福居英晃監督による見事な映像作品です。力強い演奏シーンと、叙情的な映像が絶妙に融合し、楽曲の世界観を見事に表現しています。このMVは、2011年の「SPACE SHOWER MUSIC VIDEO AWARDS」のROCK部門にノミネートされるなど、高い評価を得ました。

さらに、「完全感覚Dreamer」は、単なる音楽作品にとどまらず、社会現象にも影響を与えました。TBS系バラエティ番組『あらびき団』の2010年2～3月度のエンディングテーマとして使用され、多くの視聴者の耳に届きました。楽曲の持つ力強さとメッセージ性が、多くの人々の心に響いたと言えるでしょう。

楽曲には、「決してこのままでは終わらない、理屈ではない感覚的発想で未来を切り開いていく」という、ONE OK ROCKの強い意志が込められています。このメッセージは、当時、バンドが新たなステージへと進む決意を表明するものでもあったのでしょう。

そして、2020年、新型コロナウイルス感染症の世界的流行という困難な状況下においても、「完全感覚Dreamer」は再び脚光を浴びました。各メンバーが自宅で撮影を行い、オリジナルMVを彷彿とさせる演出を取り入れた「完全在宅Dreamer」が、バンドのYouTubeチャンネルで公開されたのです。この作品は、困難な状況下でも音楽を届け続けるバンドの強い意志を示すものとなりました。

カップリング曲「独り言ロンリーナ」も注目に値します。これは、2009年に発売中止となったシングル「Around ザ world 少年」に収録予定だった楽曲で、幻の楽曲として知られていました。この楽曲が日の目を見ることになったことも、「完全感覚Dreamer」のリリースが、バンドにとって大きな意味を持っていたことを示していると言えるでしょう。

「完全感覚Dreamer」は、単なる楽曲ではなく、ONE OK ROCKの歩みを象徴する重要な作品です。この曲は、彼らの音楽性、そして彼らの強い意志を凝縮した、まさにバンドの代表曲と言えるでしょう。その力強いサウンドとメッセージ性は、これからも多くの人々の心を掴み続けることでしょう。

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