宗功寺公園

宗功寺公園は、鹿児島県薩摩郡さつま町虎居に位置する墓園です。ここはかつて、臨済宗の寺院である大徳山宗功寺があった場所でした。宗功寺は、慶長8年（1603年）頃、この地の領主であった島津氏分家・宮之城家の当主、島津忠長によって菩提寺として建立されました。

明治2年の廃仏毀釈により宗功寺は廃寺となりましたが、宮之城家の墓所はそのまま残され、その跡地は墓所を鑑賞するための公園として整備されました。公園内には、宮之城島津家2代目当主・忠長から17代目・忠丸までの歴代当主の墓が並んでいます。初代当主・尚久の墓はここにはありません。墓地の入り口には、廃仏毀釈後に神社として祀られた鳥居の跡が残されており、歴史を感じさせます。

墓石には、島津家の家紋である丸に十字の紋が刻まれています。特に、7代当主・久方や9代当主・久亮の墓の紋には、かつて金箔が施されていた跡が見られます。また、宮之城家13代当主である久竹が建てた「祖先世功の碑」は、大きな亀の背中に乗っているという特徴的な形状をしています。この碑の四面に刻まれた文字を全て解読すると、亀が動き出し、川内川を泳ぎ出すという伝説が残っています。

宮之城島津家は、現在もこの墓所を管理しており、家型の独特な墓石など、歴史的価値の高さから、鹿児島県指定史跡となっています。

ちなみに、宮之城島津家18代目当主・忠之氏は、かつて京都ホテルグループの「ホテルオークラ」の社長を務めていました（現在は引退し、千葉県在住）。

宗功寺公園は、島津氏の歴史と文化に触れることができる貴重な場所です。美しい自然と歴史的な遺構が調和した空間は、訪れる人々に静寂と安らぎを与えてくれます。

[外部リンク]
さつま町／宗功寺公園

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